「最近のラノベは異世界ばかり」問題はこれと合わせて、・過去と比べての「異世界」作品の増加率・各月発刊における「異世界」率(毎月新刊ラインナップで「異世界」ものを見ていれば錯覚する可能性はある)・『ラノベ全体で一割』を占めたタイトルワードがかつてあったのか、とかが気になる
— 八塚 (@enpitsutogarase) 2016年7月20日
「錯覚」ねえ。
異世界ものの多さを認めると、何か不都合でもあるのかしら。
この出来事で思い出すのが「イギリスの食べ物は不味い」に物申す - Togetterまとめね。
イギリス料理のマズさは『彼女たちのメシがマズい100の理由』でも取り上げられてて、まあ有名っちゃ有名よね。
ところが、この手の「特定の対象に特定の傾向がある」系の議論って、現代ではタブー視されてるみたいなの。
上のまとめ内では、現にメシマズ体験で苦しんでる人間がいるってのに「ステレオタイプだ!」「俺は大丈夫!」とか、わけの分からない論法でイギリスの食文化が抱える問題*1から目を背けるだけ。
この事情はラノベ界隈も同じ。
「タイトルに『異世界』と付く作品は全体のたった一割なんだよバーカバーカ!*2」と叫んだところで、「ではなぜ異世界ものが多いように感じるのか」に全く答えられてない。
「異世界ものの多さを認めてしまうと、評論家やSF作家にラノベが馬鹿にされる! 何が何でも否定しなくては!」ってなってるだけじゃないのかしら。
門外漢からの評価なんてほっとけばいいのにね。
ラノベに異世界ものが多いのは事実で、例えば第四回なろうコンでは受賞四六作品中『お抹茶セット五百円(お薄茶・和菓子・付喪神)』『俺は/私は オタク友達がほしいっ!』『静かの海』『白いしっぽと私の日常』『眼鏡とあまのじゃく ~地味なモブの俺が、なぜか派手なギャルの美少女につきまとわれてる件について〜』以外の四一作品は全部異世界もの*3よ。
割合にして八九・一%。ほぼ九割。異世界ものばかり。証明終了。
*1:歴史的経緯はイギリス料理が「まずく」なったのには、ある時代背景が関係しているという考察 - Togetterまとめを見なさい。
*2:夏鎖芽羽自身はブログ記事で「(あらすじではなく)タイトルを集計した結果であることに注意」と念を押してるわ。