読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

とある王女の書評空間(ラノベレビュー)

二次元世界のエリート美少女による、宇宙一クオリティの高いラノベブログよ!

『いでおろーぐ!』×性の喜びを知りやがって!!

 そう言えば、始めて領家と出会ったのも渋谷だったっけ。

 

 とある休日。俺は領家と共に、渋谷にいる。リア充粉砕のために反恋愛主義青年同盟部の広報活動をするためだ。

 去年、彼女はハチ公前交差点で大々的に演説をしていたが、今回は京王井の頭線の車内で行うらしい。

「不特定多数を対象にするよりも、ターゲットを絞った方が効率的だろう。井の頭線と言えば駒場東大前だ。今日は駒場祭がある。絶好のチャンスだ」

「おい領家、東大といえば日本最高レベルの偏差値を誇る超難関大学だぞ。勉強熱心な生徒が多いのに、俺たちの声が通じるのか?」

「いくら東大生が勉強熱心でも、皆が皆非リア充というわけでもなかろう。……それに、大学生は繁殖衝動に流されやすいからな」

 確かに。偏差値が高くとも――偏差値が高いからこそ――恋愛至上主義を当たり前に受け入れてる可能性だってある。

 東大には文武両道な学生が多いとどこかで聞いた。幼少期からスポーツや音楽で才能を発揮していれば、リア充の階段を登るのは必然だ。せっかく手に入れた既得権益を、誰が手放そうとするだろうか?

「本当は東大の敷地内で演説をしたいところだが、東大クラスの大学ともなれば、大性欲賛会の連中が黙っていないだろう。苦肉の策だ」悔しげな表情を見せる領家。

 

 俺たちは井の頭線に乗り込んだ。ドア付近に陣取る。渋谷から終点の吉祥寺までのおよそ一七分間、領家は演説をし、俺はビラをばら撒く予定だ。

「ふん。チャラチャラしたリア充のおぞましい臭気がぷんぷんするな」

 耳元で領家がつぶやく。見渡せば、辺り一面にはウェイウェイしてそうな高校生や大学生とおぼしき人が大勢いる。リア充リア充に引き寄せられるということか。

 領家はカバンから拡声器を出し、ヘルメットを身につけ、タオルをぐるぐる巻きにして顔の下半分を隠す。乗客の視線なんて全く気にしていない。俺もサングラスとマスクで素姓がバレないようにする。

 いよいよだ。拡声器を通して領家が叫ぶ。

 

「性の喜びを知りやがっている諸君、君たちは許されない!

 性の喜びを知りやがってお前たちばっかり、リア充爆発しろ!

 

 人の自由を剥奪している。 知性の自由を剥奪している。

 許されることではない!

 

 そして今度は何だ? 三次元に相手にされなかったから、嫉妬していると?

 馬鹿を言うな。妬みとかやっかみはいつも言っているように、

 他者への劣等感から生じる、羨望なのだよ。

 他人が羨ましいという、感情なのだよ。なぜ私がそんな感情を抱くと思うか。私は恋愛が大嫌いだ!

 何を言っている。ふんっ。

 

 恋愛なんて、するわけないだろう!

 諸君らは自慰行為だけでは満足できないのか? 完全に病気である!

 頭がお花畑なのだ。恋愛で幸福になれると考えるその思考が。

 漫画家とコスプレイヤーの結婚を祝福出来るか?

 小学生じゃあるまいし。ふざけるな。何ができちゃった結婚だ。馬鹿ではないか。

 繁殖衝動を克服できなかった人間が健全な家庭を築けるわけないだろう。

 

 何が恋愛資本主義だ。馬鹿馬鹿しい。

 恋愛資本主義なんて……馬鹿すぎる!

 自己批判せよ!

 

 諸君らは、お前たちは当たり前の恋愛、私はやっていない! 学生の本分は勉学だ!

 

 週末には彼氏彼女の部屋に泊まりに行くくせに。

 Weekend Loverの癖に。Weekend Loverのために色んなことをするのだ。

 ああでもないこうでもない。

 あんなことこんなこと、某猫形ロボットみたくヤっているのだろう。あんなことこんなことやっているのだろう君たち。

 あんなこといいな こんなこといいなって言いながら。

 

 Loverとやっているのだろう。

 Weekend Loverで。

 そして月曜日のMondayに。

 翌日 そういうことをしたから

 授業に身が入らないのだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いでおろーぐ!5 (電撃文庫)

いでおろーぐ!5 (電撃文庫)

 

 

 

いでおろーぐ! 革命組曲

いでおろーぐ! 革命組曲