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とある王女の書評空間(ラノベレビュー)

二次元世界のエリート美少女による、宇宙一クオリティの高いラノベブログよ!

チョロイン僕っ娘勇者最高っ!――『女神の勇者を倒すゲスな方法「おお勇者よ! 死なないとは鬱陶しい」』

女神の勇者を倒すゲスな方法 「おお勇者よ! 死なないとは鬱陶しい」 (ファミ通文庫)

 

女神に祝福されし勇者の天敵は、人類最大の裏切り者!?

「勇者共をどうにかしてくれ!」いきなり剣と魔法の世界に召喚された外山真一に召喚主の“蒼の魔王”は土下座で頼み込んできた。魔王は可愛い娘のために、美味しい食料を求め人間界に来ただけで、人類に危害を加える気はないらしい。なのに殺しても蘇える勇者達に毎日襲撃され困っていたのだ。せっかく異世界に来たんだし、と真一は勇者撃退に乗り出すが、彼の策略は魔族すらドン引きするものばかりで――!! 第18回えんため大賞特別賞受賞作、魔王の参謀となった少年の勇者攻略譚、登場!

 

著者の笹木さくま先生は夏希のたね先生の新PNみたい。

『あやかしマニアックス!』以降音信不通だった*1から心配だったわ。

 

ファミ通文庫の刊行予定にあった時からこの作品が気になってたのよね。

あたしの大好きな魔王と勇者ものだし、しかもイラストレーターが『転生従者の悪政改革録』でおなじみの遠坂あさぎ先生だし。

シコれるイラストレーター第三位なのよ! 購入決定でしょ!

 

カクヨムで先行公開されてたから見てみたんだけど、「ゲス」ってタイトルの割に中身は結構ほっこりしてるわ。

例えば魔王が人間界進出の経緯を語るシーン。

 

「勘違いするでないぞ、我は人界への進出を決め、実際ここに城を建てたが、人間共を虐殺して奪ったわけではない」

「えっ、そうなの?」

「はい、そんな酷い事をしちゃ嫌ですよって、リノがパパに頼んだんです」

 驚く真一に、リノが笑顔で答える。

「蛆虫共など、滅ぼした方が楽であろうに……(ボソッ)」

 父親の方は、不服そうに愚痴をこぼしていたが。

「パパっ!」

「ごほんっ……とにかくだ、優しいリノの慈悲により、我らは人間共が誰も住んでいない、この山岳地帯を選んで拠点としたのだ」

 

リノいい娘!

最近のファンタジーはなろう系が主流だからやたら残酷になりがちだけど*2、やっぱりコミカルなのが一番よね!

 

設定が設定だから戦闘で死者が出るけど、ドラクエJRPG世界をパロった作品だから、人間も魔族もすぐに蘇生できるの。

そんなわけで主人公の真一は勇者達を肉体的にではなく精神的に追い詰めるから、グロが苦手でも大丈夫よ。ちょっと引用してみるわね。

 

「あっ……がっ、ぬぐぅ……!」

「余裕のない騎士殿に代わって、私が説明して上げよう。彼に飲ませたのは『チェキンの実』を煎じた物だよ」

「チェキンの実?」 

 レンジャー達が知らないのも無理はない、人間の世界には存在しないのだから。

「魔界に生える植物の実だよ。非常に不味いのだがある効果があってね、特に女性達の間では重宝されているのだそうだ」

「女性……まさかっ!」

 気付いた様子の女神官に、真一はニヤリと笑って告げる。

「そう、お通じを良くする薬――つまり下剤だ」

 ぐぎゅるるるっ!

 まるで正解だと答えるように、騎士の腹が破滅の異音を響かせた。

「た、頼む、鎖を外してくれ!」

「我々が差し出した手を払ったのは、君の方じゃないか。今更虫が良すぎるな」

「あっ、ぐぅ……だが、騎士として、女神の勇者として、邪悪な魔族に屈するなど……っ!」

「見事な覚悟だ。ならば汚物で汚れる程度、どうという事はないだろう?」

「だ……だが、しかしぃ……っ!」

 歯を食いしばって耐えながら、騎士は女神官を見る。

 この戦いが終わったら、一緒になろうと約束していた愛しい女性。

 彼女は恐怖からか、顔面を蒼白にしながらも、目を逸らせず彼を見つめていた。

 だから、騎士は恋人の眼前で、ついに――

「見るな、見ないで……あっ、あああぁぁぁ―――っ!」

 

……まあ、かなり下品だけど。

 

本題はここから!

『女神の勇者』の見どころは、メインヒロインのアリアンよ!

 

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遠坂あさぎ先生が描く美少女はどれもほんわかしててシコリティが高いんだけど、その中でもアリアンは格別よ!

ピュアな表情がたまらないわ! おっぱい揉みたい!

 

しかも! しかもよ!

和武はざの先生が描いた応援イラストを見たら嬉しい事実が判明したの!

 

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アリアンは僕っ娘だったの!

 

特設ページにアクセスすると、カクヨム掲載分からは分からなかった*3アリアンのチョロインっぷりを垣間見れるわ!

 

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ん? 今何でもなってあげるって言ったわね?

だったらおっぱい揉ませなさい! あと髪の毛の匂いも嗅がせなさい!

このチョロインっぷり、最高っ!

 

いや~、遠坂あさぎ先生を選んだ担当編集はいいセンスしてるわ!

いろんな先生が応援イラストでアリアン描いてるけど、どれもクセが強すぎて、ほっこりした雰囲気にマッチしてないのよね。

辛うじて夜ノみつき先生だけがアリアンの明るい性格を表現できてるかしら。

 

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もちろん、作者である笹木さくま先生だっていい仕事をしてるわよ。

真一の策はゲスいけど、性格は他人思いの優しいキャラなの。

終盤、真一はアリアンに自分の思いを打ち明けるわ。

 

「アリアン、俺はこの通り、お前の気持ちを弄んだゲス野郎だ。だがそれでも、人も魔族も関係ない、鱗が生えているとか、女神を信じていないとか、そんな些細な事で迫害されたり殺されたりしない、楽しい場所があったら良いと思う」

 全世界を平等で平和に、とは言わない。

 真一はそこまでの聖人君子ではない。

 ただ、目に見える範囲、手の届く人達だけでも、幸せでいて欲しいという願いは本物。

 

ゲスだけどクズじゃないのがいいわね!

エピローグの、真一がアリアンを魔族に紹介するシーンもほのぼのとしてて好き!

 

「というわけで、ほいっ!」

 真一は掛け声と共に、アリアンの赤いマフラーを奪う。

「ひゃあっ!」

 アリアンは悲鳴を上げ、慌てて両手で隠すが、集まった魔族達は喉にある赤い輝きを、しっかりと目に焼き付けていた。

「ほう、本当に半竜人のようであるな」

「うわー、宝石みたいで綺麗な鱗です!」

「赤色って事は、赤き竜の子供って事かブー?」

「人界の赤き竜と、魔界の黒き竜、どちらが強いのか興味深いモ!」

 魔族達は珍しさに驚いたり、賞賛の言葉を送るだけで、畏怖の視線や罵声を浴びせたりはしない。

「えっ、何で……」

「だから、こういう連中なんだって」

 首の鱗程度、人間の中では異端でも、蛇女や人魚だって居る魔族の中では、個性の一つでしかない。

「来て良かっただろ?」

「……うんっ!」

 

くうーーーーっっっ!! キュンと来ちゃう!

 

 

追記

 

 

 

遠坂あさぎ先生は、電撃の『ガーリー・エアフォース』や、読書メーターで高評判だった『転生従者の悪政改革録』でさえ成し得なかった重版を、本作で初めて達成したみたい。

最後までほんわかした世界観を守りぬいたこと。

だからこそ、『女神の勇者』はここまでの人気作になったんじゃないかしら。

 

女神の勇者を倒すゲスな方法 「おお勇者よ! 死なないとは鬱陶しい」 (ファミ通文庫)

女神の勇者を倒すゲスな方法 「おお勇者よ! 死なないとは鬱陶しい」 (ファミ通文庫)

 

 

*1:ニ〇一ニ年と一三年にファンタジア文庫から一冊出してるみたい。全然知らなかった。

*2:今までに三回ぐらいこの発言した気がするわね。

*3:これが大きなマイナスポイント。ヒロインの属性は初登場時にちゃんと描写しなさい!