欲望のままに人様に迷惑をかける禍霊よ!
私が成敗してやるわ! !
恥じらうコスプレ姿の女子高生退魔師、華麗に登場!
ある時は和メイドさん、ある時はレトロな女学生、そしてある時はエロい悪の女幹部…華麗な(ちょっと恥ずかしい)コスチュームで妖を撃つ。果たしてその正体は…!?
退魔師の家系に生まれながら、普通の女子高生を目指す依夜。しかしひょんなことから最強の式神・ナギの主人となったために、隠世から現れる禍霊と闘うはめに。それもなぜだかコスプレチックな浄衣を着て…!!
自称地味系(実は意外と可愛い)女子高生と超ハンサム&超強い式神のコンビが現世の狐狸妖怪を退治する痛快アクションシリーズ、スタート!!
ぞーっーかーんーしーたーいー!(叫ぶ) https://t.co/ProOOcUNnF
— 道草家守@和モノ春花企画 (@mitikusatanoi) 2017年3月16日
予告通り『神薙少女は普通でいたい』をレビューするわよ!
これで少しは売上が増えて、続刊を望んでる道草家守先生は喜べるんじゃないかしら。もうあたしに頭が上がらないでしょうね。
『ドラゴンさんは友達が欲しい!』を買ったはいいものの文字密度の濃さとあまりの分厚さにギブアップしたけど、『神薙少女』は一般的ななろう系と分量は変わらないから、遥かに読みやすかったわね。
現代が舞台だから、専門用語が多すぎて理解が困難になるなんて事態もないし。
和と言えば道草家守先生。道草家守先生と言えば和。
そんな和モノの代名詞的存在だけあって、ヒロインの依夜は和メイド姿が物凄く似合ってるの! そもそも依夜って名前からして和風っぽいしね!
清楚の象徴である着物と、背徳感の象徴であるスカートの融合!
変に素肌を露出させず、足元を編み上げブーツにしてるのが高得点だわ!
依夜は現役JKだから、制服姿のイラストもあるわよ!
和服もいいけど、やっぱり制服だって捨てがたいわよね!
妖たちが依夜のスカートをめくるシーンは、一番好きなとこよ!
マニャ子先生がいい挿絵を描いてくれてるの!
だけど二の腕の黒蛇は。涼しい顔でそっぽを向いている。
害はないと判断しているからだろうけど、動いてくれないのはちょっとむかっとする。
しょうがないので、傍らで並走する三匹をなるべく視界に入れずに足を早めたのだけど。
付いてきた子鬼が視界から消えたかと思うと、すうっと、下半身が涼しくなった。
「~~!!??」
風もないのに大きく翻るスカートを慌てて押さえれば、子鬼とカエルと毛玉がにやにや笑っていた。
そうか、ちょっとした妖力は使えたのか。
たとえば、スカートをめくる程度の力とか。
毛玉なんて鋭い牙の生える口をむき出しにして大笑いだ。
『水色だった』
『水玉だった』
『お子様だ』
「あんたたちっ! ナギ、追い払って……!?」
屈辱と羞恥で一気に血が上ったわたしは二の腕を見るけど、黒蛇の姿はない。
すでに、黒蛇はハイタッチを交わしあう子鬼たちのそばにいた。
思わず期待したのだが、ぐっと鎌首をもたげたナギは、尻尾の先をまるでサムズアップするようにあげたのだ。
『すばらしいスカートめくりだった』
「この変態がーーーーっ!!!」
この恥じらう表情! JKのピチピチ感がよく出てるわ!
ふくらはぎの脚線美や靴下のテカりもたまらないわねっ!
ここまでは絶賛してきたけど、不満点が二つあるわ。
一つ目はナギと依夜以外がそこまで印象に残らないこと。
どうせなら敵キャラにも禍霊の美少女を出して、バトルで負かしてあんなことやこんなことすれば、作品の魅力が何十倍も増えると思うの。
コメディなんだから、おどろおどろしい雰囲気はそんなにいらない。
二つ目の不満は一四五ページの挿絵で、「えび茶袴に矢絣の着物」って描いてあるのに、イラストは巫女さんっぽくなってるし! どこが女学生スタイルなのよ!
プロのイラストレーターなんだからちゃんと調べなさいよ!