ネガティブ&性悪すぎて、逆に名教師!?
SOW先生、GA文庫参入作!!
「というわけで、俺を魔王軍に入れてくれ! そして人類を滅ぼそう!!」
暗黒式魔導師クトゥーは勇者の仲間だったが、
その女勇者レティシアにフラれたショックからパーティーを離脱。
そのまま魔王に直接リクルート!?
「それなら、君にピッタリの仕事があるんだよ~」
魔王は過激なクトゥーを持て余し、彼に与えた役職は、
気まぐれで創っちゃった学校の教師!!
しかし、担当クラスは人類文化に憧れる落ちこぼれの低級魔族ばかり……
「お前らを人類廃滅の使徒にする! 」
「「ええ~っ面倒くさい人きたー」」
激ネガティブなクトゥーの腐りきった性根と型破りな授業が、
生徒たちの心を育み、彼らの才能をグングン伸ばす!?
これは、後世に『闇統べる者』と讃えられし、
伝説の教師の授業記録である。
表紙の眼鏡っ娘委員長萌え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっ!!!!!!
ぶっちゃけSOW先生って政治ツイートが多いからあんまり関わりたくないんだけど、表紙の委員長が可愛すぎるから買うことにしたの!
いや~、表紙眺めてるだけで妄想が止まらないわ!
制服の地味な色合いを考えると一途なまでに真面目なキャラなんだろうなとか、眼鏡掛けてて黒髪ロングってことはきっと敬語で話すんだろうなとか、ロゴで隠れてるけどおっぱいはそれなりの大きさなんだろうなとか、頬を赤らめてる様子からツンデレ気質もあるんだろうなとか、そこかしこにときめいちゃう!
発売が近づいて、挿絵が公開されたときはもっと興奮したわ!
あぁ^~ライムが可愛いのよ^~。
スライムみたいにぽよんぽよんな胸に顔を埋めて感触を堪能したいわ~。
予想通り真面目な敬語委員長で良かった~。
『ホテル ギガントキャッスルへようこそ』といい、SOW先生の作品は魅力的なヒロインに恵まれてるわね。表紙買いしたくなっちゃう。
そんなライム達学園の生徒を指導するのが、主人公のクトゥー。
暗黒式魔導を極めすぎて、周囲の人間から無条件に嫌悪感を抱かれる始末。
お風呂場のカビのごとく「生理的に無理」と拒絶される様は『物理的に孤立してる俺の高校生活』の業平なんかとは比べ物にならないくらい孤立してるわね。
おまけに、あまりにもキモがられすぎて性格歪みまくってるし。
イケメンってだけで同僚にこの仕打ち。
「ヨルムンガルト」の職員室。
ここには、各クラスの担任の他に、各種専門課程の教員たちも揃っていた。
「やぁ、あなたがクトゥーさんですね。お話は聞いています。よろしくお願いいたします」
職員室に入ったクトゥーを出迎える、先任の教師。
「そいや!」
「なんと!?」
その顔面に、クトゥーは出会って二秒で拳を叩き込んだ。
てっきり、魔族一般では蔑視の対象となる混血をなじられたのだと思ったラーヴェルトであったが、そうではなかったらしい。
「え、じゃ……なんなんですか?」
「だからお前のツラだよ」
「それって、あの……もしかして……?」
「イケメンは死ねばいい」
「わぁ……」
人としてどうだろうという最低な発言を、これでもかと言うほど恥ずかしげもなく放つクトゥー。ここまで堂々としていると、かえって小気味がいい。
最近、主人公のクズ度が日に日にインフレしすぎぃ!
『女神の勇者を倒すゲスな方法』の真一はまだ内面がまともだったけど、『骨の髄まで異世界をしゃぶるのが鈴木なのよー! !』の鈴木は完全にいじめっこ側だし、本作のクトゥーに至っては最早チンピラ同然だし!
調子に乗りまくってライムに殴り飛ばされるシーンは『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』のグレンっぽかったわね。
JKに暴力振るわれるならむしろご褒美かしら?
一般的なラノベ読者からの好感度は地の底に落ちてそうなクトゥーだけど、だからこそ鬱屈した日常を送ってる層からはかなりの共感を得られるかもしれないわね。
最底辺のクズだから、他人を見下さない。
劣等感を抱えているから、生徒の長所を見つけられる。
嫉妬深いから、渇きを原動力にできる。
「生まれつき高級な生まれの連中など、使えないもんだ。頭がいい身長が高い格好がいい金持ちの生まれ――なんかしら恵まれているヤツはそこで“満足”できちまう。いいか、”渇する”者こそが、力を得るのだ」
「むしろお前たちは逸材だ。下等とさげすまれている? 低級とバカにされている……いいじゃないか。楽しいぞ。自分を見下した者を、見下し返す瞬間は。お前たちはそれを味わえる資格を持っているんだからなぁ」
ルサンチマンを抱えてるのなら、これほどピッタリな作品はないかもね。