発売即重版の大人気スローライフ小説、待望の第2巻!!
エルフ族のリア、熊人族のミレアちゃんと一緒に相変わらず気ままなスローライフを満喫する俺。
ロゼッタのおかげでみんなで王都に遊びに行ったり、リアのメイド服を愛でたりと楽しい日々だが、最強の種族である俺・人間の力を狙うやつらはまだまだいるらしく……!?
シアンがエステリオからいなくなっちゃってずっとショック……魔族だからって殺すのはあんまりよ……ちっこくて頑張り屋さんな娘だったのに…………
あたしは途方に暮れていたんだけど、悲しんでばかりいても新作を追えないから、発売日が近くなると各レーベルの新刊をチェックしてたわ。
でね、この間ダッシュエックス文庫の新刊紹介ページを眺めてたの。
そしたら! そしたらよ!
キタ―――――(゚∀゚)――――!!
キタ―(゚∀゚)―(∀゚ )―(゚ )―( )―( )―( ゚)―( ゚∀)―(゚∀゚)― !!
この! 銀髪で! ツインテな! ゴスロリ吸血鬼カノンが! 仲間に! なる!
マジで?! これは購入決定だわ!
流石はプロ四年目*1の柑橘ゆすら先生だわ! 「美少女とイチャイチャしたい! 例え敵でも!」という読者ニーズをきちんと実現させてるわ! さすかん!
本編だと吸血鬼って「最も人間に近い種族」と称されてて、だったらカノンは充実した人生を歩んでるかって言うとそうでもないの。
その時カノンの脳裏を過ぎったのは、同じ魔族であるグレイスに拾われた時の出来事であった。
その絶対的な『強さ』故にカノンは孤独だった。
大の大人が数人がかりで挑んでも太刀打ちできない――。
幼いながらに一族の中でも異質な『強さ』を持っていたカノンは、周囲の嫉妬を買い、里から追い出されることになったのである。
(略)
自分の居場所を守るためにも――。
カノンは誰よりも強くならなければならなかった。
(私はもう……一人ぼっちは嫌……)
可哀想なカノン。
しかもね、悲劇はこれで終わらないの。
実はカノンって主人公の葉司を始末するためにグレイスが差し向けた刺客だったんだけど、葉司に傷一つつけられなかったわ。魔族に伝わる秘剣を持ってしてさえも。
それどころか葉司に「これは玩具の包丁かな?」って勘違いされちゃうし。
その後アジトに侵入したときは、スライム四匹に負けて服を溶かされ、醜態を晒して「クッ……。殺して……」って口にし、哀れに思われたのか葉司にキャンディを渡されて「もう悪いことをしちゃダメだよ」って追い返される始末。
葉司を殺せなくて業を煮やしたのか、グレイスはできそこないの聖遺物をカノンに与えるわ。人族と同じ力が手に入るって甘い言葉で誘惑するの。
服用すれば悪質な中毒症状を患って廃人と化してしまう事実はカノンも知ってたけれど、「改良したから副作用はない」というグレイスの発言と、暗殺に失敗してグレイスに見捨てられれば再び孤独になるかもしれない恐怖が、カノンを服用に駆り立てたわ。
本当はグレイスの発言は嘘で、最初から捨て駒として利用するつもりだったの。
ひどい! ひどすぎるわ! もうカノンを救えるのは葉司だけよ!
普通のなろう作品ならカノンはただの敵キャラで、美少女だろうと主人公と交流していようと「あの状況で、あの世界観で滅する以外の選択肢は存在せずと考えている次第である」って理由で殺される役だったかもしれない。
でも本作は違うわ! 「ストレスフリー異世界ライフ」だもの!
例え主人公と敵対していても、最後は絶対に仲良くなれる!
葉司が一番それを望んでるわ!
「主さま! 彼女に何か語りかけたところで無駄です。その者は既に……完全に聖遺物の闇に取り込まれていますから」
怒涛の勢いで迫りくるサイバネの部下たち*2を押さえながらリアが言う。
クソッ。
今日ばかりはリアの言葉を信じたくない!
こんなことを言うと『甘い』と怒られそうだが、俺にはカノンが悪いやつにはどうしても見えないんだよな。
俺はキャンディを受け取った時のカノンの笑顔を思い起こす。
あんなふうに笑えるやつが進んで他人を殺したりするはずがない。
きっと何か事情があるのだろう。
さすが主人公!
四ページ後、葉司は「本物の聖遺物」である自分の血を飲ませることでリアを無事救うことに成功したわ。
こうして、魔族であるリアもハーレムの一員に加わったのよっ!
めでたしめでたし! やっぱりハッピーエンドが一番!
シアンを退場させた原雷火先生に、柑橘ゆすら先生の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ!
最強の種族が人間だった件 2 熊耳少女に迫られています (ダッシュエックス文庫)
- 作者: 柑橘ゆすら,夜ノみつき
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/10/25
- メディア: 文庫
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