とある王女の書評空間(ラノベレビュー)

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タコ無しタコ焼き(税抜き一ニ〇〇円)――『最下位職から最強まで成り上がる: ~地道な努力はチートでした~』

最下位職から最強まで成り上がる: ~地道な努力はチートでした~ (ガガガブックス)

 

あらすじ1000万PV突破のファンタジー書籍化!

冴えない日々を送り、与えられた天職は最下位職である『低級魔道士』でしかなかった少年・ルーク。しかし、彼には秘められた才能があった。軍師としての圧倒的な才覚だ。それは、戦場を俯瞰し、戦局を見極め、戦術を駆使し、戦争そのものを一変させるほどのものだった。
めきめきとその頭角を現し始めていたルークだったが、ある事件をきっかけに彼を取り巻く環境は大きく変化しはじめる。それはルークという傑物が歩む道のりのほんの始まりに過ぎなかった。やがて、誰もが想像だにしなかった事態へと発展していくことになる。大陸そのものを、そして歴史そのものを揺り動す大きな渦の中心にルークは放り込まれていく。
これは“最下位職"から“天才軍師"へと上り詰めていく少年の挫折と栄光の物語である。

ガガガ文庫10周年企画「ガガガブックス」がついに本格始動。待望の第1弾は、「小説家になろう」にて、累計10,000,000PV突破の人気作! インターネット各所で話題となった王道ファンタジーがついに書籍化。イラストは気鋭のクリエイター・桑島黎音が担当!

 

「一体包囲殲滅陣は書籍版だとどう書かれてるんだ?」というネタ要素一点だけで(あたしも他の読者も)購入に踏み切ったであろう本作。

 

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良くも悪くもネタとして有名になったこの描写は、書籍ではどう変化しているのか。

 

五〇〇〇対三〇〇の構図はそのままなのか?

AAっぽい描き方はきちんと維持されているのか?

荒唐無稽だった原作に説得力は与えられているのか?

 

最新話の後書きで上谷圭先生が

 

というわけでありまして、本日、5/18より本作の書籍版が店頭にて発売されます!
主な変更点は、ヒメリの初期からの登場とか、リリとの関係性のシーン強化。
書籍版の迷宮探索は、ルーク、ロイと、弓の女の子の後衛も入れて3人パーティーになりました。
包囲殲滅陣や集団戦の描写力も、非常に洗練されたと思います。
書籍版はたくさんのことが変わって新規で楽しめると思いますので、ぜひぜひ書籍をお買い求めいただければ幸いです!
なにとぞーーー!

 

と気合を込めた宣伝をしてるだけあり、「WEB版以上にネタ満載なのでは?」という期待と「もしかしてカットされてる?」という不安が混在してたんじゃないかしら。 

実際にページを開いてみると……

 

「追撃行為やめ! 全軍、反転攻勢――!」

 潰走する敵軍両翼の追撃を放棄し、優れた機動力をもってして、戦場を反転する。

 序盤から一貫して戦いを優勢に繰り広げていた騎兵部隊が、中央に戻ってくる。

 そうしてエジンバラ中央の重装歩兵部隊の背後へと殺到したのであった。

 さらに三層に分かれて戦っていたウェルリアの中央歩兵団は、横一列だった状態から、半円を描くようにして戦陣を移動させていく。

 こうして重装歩兵が薄く伸びた形で、エジンバラ軍の左右にとりつく。

 すると、中央を突破し優勢に勝ち得たかに見えたエジンバラ軍は、いつの間にかどこを向いても士官学校部隊がいるという状況になっていた。

 包囲機動の完成である。

 こうして、士官学校部隊は、エジンバラ軍の戦力六千に対し、一千弱で包囲陣を敷くことに成功したのだった。

 戦場における包囲機動とは、敵の主戦力を非戦力化したうえで、最も効率的に自軍戦力を発揮できる最良の戦術である。

 ――包囲殲滅陣。

 敵が攻撃を予期できない側面や背後からの打撃は、非常に高い効力を発揮する。

 それは、心理的にも敵を圧迫することができ、戦術における最高の形の戦型であった。

 

はあああああああぁぁぁぁぁぁ!?

完全に別物じゃないのよ!

 

ネタにできない包囲殲滅陣なんて、ビュッビュッしない『とんスキ』、メロンの入ってないメロンパン、タコの入ってないタコ焼きだわ!

どこに存在意義があるってのよ!

 

最下位職から最強まで成り上がる: ~地道な努力はチートでした~ (ガガガブックス)

最下位職から最強まで成り上がる: ~地道な努力はチートでした~ (ガガガブックス)