とある王女の書評空間(ラノベレビュー)

二次元世界のエリート美少女による、宇宙一クオリティの高いラノベブログよ!

【#うちの勇者ちゃん】ヴェリル「ちょっと作者と編集! アタシのイラストが全くないってどういうことよ! しかも店舗特典にも出番ないんだけど!?」――『うちの勇者ちゃん達がレベル99になっても初心者の館を卒業しない件について』

うちの勇者ちゃん達がレベル99になっても初心者の館を卒業しない件について (電撃の新文芸)

 

あらすじ

ゆるゆるスローライフ、ときどき無自覚チート無双。

勇者ミナ、騎士ユルエール、魔法使いリリィ、僧侶シャノ。彼女たちはまだ見ぬ未知なる大地を踏破し、襲い来る強大なモンスターにも負けず、いつか歴史に名を残すような立派な冒険者を目指す女の子の4人組……にも拘らず、未だに初心者の館を卒業できずにいた……!!
いつもいつも予想外なトラブルを起こして卒業課題のクエストをクリアできない「初心者」4人。でも彼女たちはまだ知らなかった……初級クエストに挑戦しては失敗し続けた結果、経験値だけがとんでもなく溜まり、いつのまにかレベル99になっていたことを――。
これは、実はレベル99で最強な初心者ちゃんたち4人組が織りなす、冒険と言う名のゆるふわ日常な物語です。

 

このラノ発売したわね。もう去年の話になっちゃったけど。

何に投票したか記事を書く前に、ラノベブロガーらしく作品レビューもしないとね。

 

ブログの更新頻度は低い一方、なろうやカクヨムで気に入った作品にコメントしたりマシュマロに投稿したりみたいな活動はしてるんだけど、周囲からは消えたと思われてるみたい。

 

 

ラノベブロガーなんだから、ブログ更新で存在感を出せよ!」ってことかしら?

 

 

作品情報

『おことばですが、魔法医さま。』の作者である時田唯先生の最新作。

時田唯先生と言えば、本山らのが以前動画作ってたわね。懐かしい。

 

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初期は「らのくいず」なんてのもあって、エンタメ性が高かったわ。

本山らのが復活したらまたやってくれないかしら。

 

 

それはさておき『うちの勇者ちゃん達』はカクヨムに全エピソード投稿されてるから、買う前に読んでみて自分と相性のいい作品かどうか確かめるといいかも。

最近は書籍出版前にカクヨムで全文公開するパターン多いわよね。

 

kakuyomu.jp

 

発売後はキミラノの「注目新文芸ランキング」で一位を獲得したこともあるわ。

 

 

評価点

きらら系のような和気藹々とした楽しさ

あとがきで時田唯先生が『けいおん!』にハマってたことを書いてたけど、『うちの勇者ちゃん達』は特に大事件が起きるわけでもなく、勇者のミナ・魔法使いのリリィ・騎士のユルエール・僧侶のシャノの女の子四人が、楽しくきゃあきゃあ騒ぎながら初心者の館卒業目指してクエストを頑張る作品なのよね。

 

 

 

そんなきらら系のような「女の子を眺めてるだけで癒される、もっと眺めてたくなる」って雰囲気がいいわね。

 

ツンデレ魔族のヴェリルに萌え!

ファンタジーと言えば、敵キャラで魔族が出てくるのもお約束。

下手な作家だとこの手のキャラはやられ役として適当な造形にすることが多いけど、そこはきらら系を参考にしただけあって流石は時田唯先生。

魔族(厳密にはハーフ魔族)で勇者を倒そうと画策してる美少女なんだけど、その理由が借金返済のためだったりどこか言動がアホっぽかったり。

 

「はーっ、助かったわ! アナタ中々いい人間ね!」

 ミナが助けた少女は、単に空腹で倒れていたらしい。

 近所で売っていたサンドイッチと回復ドリンクを渡すと元気になり、ヴェリル=カノンと名乗った。

 銀色の髪に、きれいな褐色肌。

 ピンと尖った珍しい耳に、ミナは「エルフ種かな?」と思ったけれど、エルフ種は雪のように白い肌をしていた気がする。

 日焼けエルフかもしれない。

「で? あなた……ええと、ミナって言ったわね。何しに来たの? ……はっ。もしかして家賃の取り立て? 町内会費? たたた、助けてもらった恩はあるけど、無いものはないわよ!? お願い、もうちょっとだけ待って!」

 壁に逃げ、なぜかお財布を抱いて震えるヴェリル。

 ミナはきょとんとしながら、手元のクエスト票を渡してみせた。

「えっと、聖剣クエストを受けれると聞いたんですけど!」

「聖剣……え、あなた勇者志望なの!? 本当!?」

 ガタッ! と今度は身を乗り出すヴェリル。

 びっくりしたミナがこくこく頷くと、彼女は「よし、よし、よーしっ!」とやたら元気に拳を握って喜んだ。

「勇者志望……やっと餌につられて引っかかったわね……! これで勇者志望を倒せば借金もちょっとは……」

「倒す?」

「ハッ! なな、何でもないわ。うん。ええと、勇者志望のミナさんね! アナタのことをずっと待っていたわ!」

 ミナの手を取り、ニコニコ笑顔でテーブル席に案内するヴェリル。

1―2 初心者勇者、聖剣を見つける - うちの勇者ちゃん達がレベル99になっても初心者の館を卒業しない件について(電撃文庫) - カクヨム

 

一応ミナ達と戦いもするんだけど、ご飯奢ってもらった見返りにミナ達を見逃そうとしてくれるし、ミナ達がドラゴンのブレスを食らったら心配してハイポーション投げようとしてたし、『まちカドまぞく』のシャミ子と優子のバトルみたいなゆるさなのよね。

ヴェリルが魔族と知ってからも、ミナはヴェリルを心配してあげてるし。

 

「えーっと……ヴェリルさん。あのあと大丈夫でしたか?」

「は? 何がよ」

「あたしの聖剣に巻き込んで、怪我しなかったかなって……帰還の翼が光ったのは、見えたんですけど」

 ヴェリルは顔をしかめる。

 どうして勇者に心配されなきゃいかんのか。

「あのねぇ。アタシはあんたを罠にはめたのよ? なんで心配してるの」

「それはまあ、そうなんですけど……でも、大きなトカゲの炎に巻き込まれたとき、心配してくれましたよね? 回復アイテムを投げようとして」

「なっ!? あ、あの時は、ノリと勢いっていうか……い、一度きりの慈悲よ!」

 もし勇者ミナ達が強いと知っていたら、心配はしなかったし……。

 それに本当は、彼女が家に来たとき、ご飯を奢って貰った恩もあったし……。

 ツンとそっぽを向くヴェリル。

 だがそこでタイミング悪く、ヴェリルのお腹がぐぅと鳴ってしまう。

 借金が祟り、朝ご飯を控えていたのだ。

「お腹すいてるんですか?」

「か、関係ないし!」

「うーん……」

 ミナは少し考え、アイテム袋から朝食代わりのオーク肉サンドイッチを取り出した。

「良かったら、どうぞ!」

「は?」

「ユルちゃん達に見つかったら、怒られちゃうかもだけど……一度きりには、一度きりのお返しです。それに、お腹すいてると疲れちゃうかなって」

1―10 実録その後のヴェリルちゃん - うちの勇者ちゃん達がレベル99になっても初心者の館を卒業しない件について(電撃文庫) - カクヨム

 

ヴェリル優しい~~~!

そんなヴェリルにサンドイッチあげるミナも優しい~~~!

 

これがいわゆる「てえてえ」ね!

 

不満点

カクヨム版読んで「書籍ではヴェリルどんなイラストがつくのかしら♪」ってめちゃくちゃワクワクしてたんだけど、試し読みしたら口絵は上に挙げた主役四人のキャラデザだけだったし、ツイートされる挿絵にもヴェリルがいないしで嫌な予感がしたのよね。

 

 

 

 

書籍版を購入したらその予感が的中。

 

 

まさにポルナレフ状態。

クソラノベレビューで有名な(有名だった)幽焼けも、ヴェリルのイラストが無い件についてレビューで言及してた。

 

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正論も正論、ド正論だわ!

口絵にも挿絵にもヴェリルがいないなんて、メロンパンにメロンが入ってないくらいありえないことよ!

 

じゃあ店舗特典にヴェリルが活躍する話があるのかというと…

 

  • アニメイト:シャノがユルエールを真似る話
  • ゲーマーズ:リリィがネックレスを欲しがる話
  • メロン:ミナがどのクエストを受けるか悩む話

 

これじゃ果汁一〇〇%かと思ったら果汁二%だったメロンジュースだわ!

 

プロなんだから、主役以外のキャラも大切にしなさいよ!

「現状のイラスト指定だとヴェリルが書籍版読んだら怒るだろうな……」みたいに、登場人物の気持ちまで考えなきゃダメでしょ!

 

ranobeprincess.hatenablog.com

 

時田唯先生と担当編集は「すみません! 二巻出るならヴェリルのイラスト絶対に描いてもらうので許してください!」って、ヴェリルに土下座して謝るべきだわ!

 

bookwalker.jp