とある王女の書評空間(ラノベレビュー)

二次元世界のエリート美少女による、宇宙一クオリティの高いラノベブログよ!

のじゃロリ破壊神との甘々な関係にときめき!――『元勇者、印税生活はじめました。~担当編集はかつての宿敵~』

元勇者、印税生活はじめました。~担当編集はかつての宿敵~ (GA文庫)

 

おお勇者よ。重版連発とはおめでたい!

異世界の危機をその手で救った少年、刃桐創一。
勇者の使命を終え、現代日本に帰った彼が最初にやったこととは

――異世界での冒険をそのままライトノベルに書いちゃった!
実体験ならではのリアリティが絶賛され、即デビュー&人気作家の仲間入り。
だが貴重な経験ストックをわずか三巻分で使い尽くし……

「うおおお、続きが書けねえーっ!!」
迫る納期! 重すぎるファンの期待!
さらに担当編集は――

「お前、倒したはずの破壊神だろ!?」
ネタを破壊しまくるかつての宿敵登場で、どうなる俺の印税生活!?

異世界帰りの勇者さま、ラノベ書いたら大ヒット!
最強だけど締め切りには完敗。
元勇者の実録切り売りストーリー!

 

庄司智のラノベ編集者NIGHT! SIN 【第6回】で印税生活に触れた矢先のタイムリーな出版。ちょうどいいタイミングね。

今日で辞めちゃう、本の王国浜松西店の店員もおすすめしてるし。 

 

 

こりゃ負けてられないわね!

あたしも承認欲求を満たすためにレビューするわよ!

 

あたし、『はたらく魔王さま!』みたいな呉越同舟コメディが大好きなの!

あらすじ見て速攻で買ったわ!

 

破壊神のくせにビビリな梨々が『魔王、配信中!?』のイスティっぽくていいわ!

かつての力を失ってる点も一緒だしね。

自分から一方的に創一を攻撃しておいて、ショボい呪文しか発動しない姿がどこか愛らしいわ。 偉そうな口調と臆病な姿のギャップ萌え!

 

 「問答無用じゃ! いでよ【永劫焔獄無限迷宮】!」

「ぐっ……!?」

 間に合わない……!

 リリィはニヤリと笑みを浮かべ、無防備な俺へと力を叩き込む!

 その小柄な体から紅蓮の光が放たれて、目を固くつむったその刹那――。

 かすかな熱を孕んだ風が、俺の頬をするりと撫でた。

「……は?」

(略)

「…………エアコンでもつけたのか?」

「ちっ、ちが……! いまのはただの準備体操ぞ! 今度こそ覚悟せよ
!」

 そうしてまたリリィは必死の形相で呪文を唱えて――。

「いでよ……! 【永劫焔獄無限迷宮】!」

 ふんわり。

 先ほどよりかは、幾分熱い風だった。

ハロゲンヒーターかな?」

「うぐーっ!」

 リリィは顔と、ぴんっと長い耳まで真っ赤にして唸る。

 しかしそうかと思えば床に腰を落として、がっくりとうなだれてしまうのだ。

(略)

「うぐうぐ……このままわらわはギッタギタのメッタメタに乱暴されて、こっ、言葉では言い表せぬような恥辱のかぎりを尽くされるのであろう……ならば、か、かくなるうえは……!」

「は、え、ちょっ……ちょっと待てぇえええええええ!?」

 

あらすじや口絵やGA文庫の立ち読みだとほとんど分からない*1けど、梨々はのじゃロリなの! ちゃんとキャラの属性は試読部分に盛り込みなさいよ! セールスポイントでしょ!

妹の登場ページはカットするか後回しにして、とっととヒロイン紹介しなさい!

 

……まあそれは編集が悪いとして、霜野おつかい先生は『魔王と姫と叡智の書』からキャラを立たせるのが大分上手くなったわね。

仕事を通じて梨々のデレがどんどん進行していく様は、あまりの甘さに読んでて砂糖を吐き出したくなったわ。すっごい。

初めての打ち合わせでいきなりこれだもの。

 

「……ハギリ先生よ」

「うっ、な、なんだよ」

 梨々は固い面持ちのまま、ゆっくりと口を開く。

 先ほど魔術をぶっぱなそうとしたときよりも、なぜか威圧感は割り増しだ。

 さてどんな言葉が飛び出すのか……ごくりと喉を鳴らしたその瞬間。

 梨々はまっすぐ右手を差し出し、頭を深く下げてこう言った。

 

「握手してくだされ!」

 

「………は?」

 今、なんて言ったこいつ。

 固まる俺の手を強引に取り、梨々はぎゅっぎゅと強く握りしめた。

「おお……この手であの傑作が生み出されておったのじゃな……感激じゃ! ぎゅうう!」

「ちょっ、まっ、ああっ!?」

 挙げ句の果てに頬ずりされて、そのたわわな胸に抱きしめられる始末。深い谷間に俺の手が吸い込まれてしまう。暖かいし柔らかいしで、体温が一気に上昇する。 

 そのうえ梨々はなぜか感極まったような蕩けた顔をするのだ。

 これではまるで、俺が梨々の胸を揉みしだいているかのようで――。

 

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あっまーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっっっっっっっっ!!!!

死闘を繰り広げた関係には全然見えないし! なにこのちょろイン!? 

 

破壊神とは思えないくらいピュアなのよね。

敵対してた創一のファンだと、本人の目の前で包み隠さず宣言するし。

 

「わらわは、ハギリ先生の大ファンなのじゃ!」

「…………は」

 対する俺は、しばしフリーズしてしまうのだ。

「ふぁ、ファン……? 誰が……誰の?」

「わらわがおぬしのファンなのじゃ」

 梨々はもう一度造作もなく言い放った。

「わくわくする冒険の連続に、魅力的な登場人物。そしてなにより息遣いが感じられるほどリアルな世界。それらすべてに魅了されてのう。既刊三冊、すり切れるほど読んだ」

 梨々はうっとりと目を細めて笑う。

「だから四巻、ずっと待っておったのじゃ」

「っ!?」

「過去のことは水に流し……これからは担当編集として、ともに作品をつくっていけたらうれしいぞ!」

 梨々はもう一度、満面の笑みで右手を差し出す。

 

全体的に『はたらく魔王さま!』の亜種的な作品で、イラストレーターは勇者の仲間、編集長は破壊神の右腕、創一を殺そうとした腹心は先輩ラノベ作家*2と、異世界関係者でわいわいやってくスタイル。

 

マジで梨々が可愛いから、表紙や立ち読みやこの記事でキュンと来たらおすすめ。

エピローグで描かれる、創一と梨々の白昼堂々のラブロマンスは激甘よ。

 

 

 

*1:bookwalkerの試し読みなら一七九ページまで読める。

*2:ネタバレだけど、メロンブックスの特典に名前が出てる。

GA文庫に相応しい、王道を歩む傑作――『なぜ、勉強オタクが異能戦でもトップを独走できるのか?』

なぜ、勉強オタクが異能戦でもトップを独走できるのか? (GA文庫)

 

すまんな。その攻撃は予習済みだ!

「教えてやろう。勉強は最強だ! 」

異能に目覚めし『覚者』が集まる学園でただ一人、ひたむきに勉強に打ち込む男がいる。
その名は神堂学斗。
戦闘力至上主義のこの学園では決して評価されない『学業』を極めた学斗は……正に連戦連勝!
学術的知識を過度に過剰に応用すれば

ゴム手袋で電撃を無効化! 暗記術で不良どもを撃退! 超音波でテロリストを一網打尽! 量子トンネル理論で敵アジトに直接攻撃!

「って、そんなわけないでしょ!?」
しかも勉強オタクのくせに序列第1位を目指すって、頭が良すぎてむしろバカ!?

勉強オタクが己の信念を貫き通す、知識欲王子の学園下剋上ゲーム、開幕!!

 

『魔王と姫と叡智の書』以来三年半ぶりに霜野おつかい先生をレビュー。

結局三巻は出ないのかしら? 夏コミ編見たかったのに……

 

表紙、『魔法学園<エステリオ>の管理人 ~最強勇者だった俺の美少女コーチングライフ~』 みたいなおっぱいを強調するコルセットがいいわよね。

左腕で隠されてても大きさが分かるほどだもの!

 

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ヒロインの天音がもうね、可愛いのよっ!

赤髪ツインテールで、ツンデレで、おっぱい大きくて、チョロインで……萌え要素でいっぱいなの!

 

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このシーンなんて、思わず押し倒しておっぱいを揉みたくなっちゃうわ!

 

名門の生まれだけど、オタ知識もありそうで親近感持てるわね!

ポケモンを引き合いに出して反論する姿がコミカルだわ!

 

「ぐっ……く! なによこんな水、どうってこと…………なっ!?」

 とたんにその顔が驚愕に染まる。

 じっと見つめる手の中の剣からは、わずかな火花すら上がらなかった。

「なんで……!? なんで電気が出ないのよ!?」

(略)

「今しがたお前が踏んだ水たまりは、ただの水だ」

「み、水ぅ!?」

「知ってるか? 水も電気を通さないんだぞ」

「ばっ、バカを言わないで! ふつー逆でしょ!?」

 裏返った声で叫んだかと思えば、天音はまなじりをつり上げる。

「水は電気を通すんだから! ポケモンだって、電気は水に『こうかばつぐん』になるじゃない! でたらめぬかすんじゃないわよっ!」

 

上で挙げたように、序盤は「夜桜甘夢リスペクト」的な側面が強いかしら。

氷の能力に塩で対抗したり、雷の能力に避雷針で対抗したり。

 

「はあ!? さ、さっきから聞いてりゃお前……何様のつもりだよ!」

「単なるいち優等生様だが?」

 真面目くさって答えてやると、男子生徒はわかりやすく顔を歪めてみせた。

 その手をかざすと青い光があふれ――水晶のような短剣が現れる。

「部外者は黙ってろ! これは俺と彼女の問題だ!!」

「ほらこの通りの粗忽者ときた。しかし氷の能力か……」

 女子生徒を背中でかばって学斗は悠長に構える。

 氷の剣を前にして――。

「だったら対処は簡単だな」

「なっ!?」

 懐から取り出した白い粉を叩きつけた。

 するとたったそれだけで、男子生徒の剣は何倍もの大きさに膨れ上がった。

 急に増えた重量のためか彼はバランスを崩してたたらを踏む。そのまま地面に盛大にすっ転び、顔面から倒れたせいで「ぶぐゅっ」とおかしな悲鳴をあげて黙りこんでしまう。

 これで一件落着だ。女子生徒はただただ目をしばたたかせる。

「い、今のは、いったい……?」

「なに。塩をかけると氷の温度が下がることは有名だな」

「は、はあ……」

「その理論を利用し、剣の温度を下げ、空気中の水分をまとわりつかせ巨大化させたんだ!」

 

「ますます意味、わかん、ないしッ!!」

 天音がダンッ、と威嚇するように床を蹴りつける。

 その瞬間、体から火花がはじけ、何十ものボールサイズの雷の玉がうかびあがった。

「これだけあればっ、防ぎきれないでしょ! 雷弾!!」

 剣をまた力任せに振るうと、それらがいっせいに放たれる。

 立てる爆音は、さながら蜂の大群が奏でるような不気味なものだ。やはり今度もその大部分が狙いを逸れてしまうのだが、それでも十といくつかはしっかり敵へと襲いかかった。

「ふむ。たしかにその数はすこし面倒だな」

 だが学斗は動じずに、その場でカバンをごそごそと漁り始める。

 やがて中から取り出したそれを、遠く離れた場所に放り投げた。

「はああああああああ!?」

 突然、天音の声が裏返る。

 なにしろ放った雷弾の群れが、一斉に進路を変え、不自然なカーブを描いたのだ。

 それらはまっすぐ学斗の投げたもの――床に張り付き高く伸びた金属棒へと着弾し、まばゆい火花をあげる。しかしそれも一瞬のことだった。あとに残るのは白い湯気だけである。

「ふっ、こんなこともあろうかと、携帯用の避雷針を急ごしらえで作っておいたんだ」

 

じゃあタイトルオチの一発ネタ作品かっていうとそんなことはなくて、強力な異能を持ちながらも名家の落ちこぼれな天音と、勉強はできるけど最底辺の異能しか持たない学斗が互いを補い合って頂点を目指す、『落第騎士の英雄譚』を髣髴とさせる王道ストーリーに仕上がってるわ。

 

「あんたにっ……私の何がわかるっていうのよ!」

(略)

「お前の心情など知るものか。あいにく、そういった他人の心の機微にはとんと疎くてな」

「だったら知ったような口を――!」

「だが、挫折の味なら嫌というほど知っている」

 天音の台詞を遮って、学斗はきっぱりと告げる。

「俺の異能レベルは1だ。どうだ。覚者として、これほど見事な挫折があると思うか?」

「っ……」

「このおかげで、どこの覚者養成機関からも門前払いだ。叔父上の力を借りてこの学校に入学したはいいが、レベル1ということで実技訓練などは強制見学。おまけにこの体力のなさときた。このとおり、俺は何度も挫折を味わった。だが、それでも俺は夢を諦めない」

 黙りこんだ天音に、学斗はまっすぐ目を向ける。

「お前もかつては夢を見たんだろう。最強ってやつを。そうじゃないのか」

「……昔はね」

 天音は観念したように吐息をこぼし、学斗から手を放す。

「私だって、戒森家の人間として……いいえ、そんなの関係なく。強い人たちをいっぱい見てきたからこそ、誰よりも強い、ヒーローになりたかったわ」

「だったらその夢を、俺ともう一度だけ見てみようじゃないか」

 学斗は、まっすぐ右手を差し出した。

 

力は弱くとも、何度挫折しようが決して諦めない学斗。

GA文庫の主人公たるに相応しい人物だわ。

 

改善点としては、iの存在意義があまり感じられなかったこと、最終戦があっさりしすぎたこと、モノクロイラストが手抜きっぽいことね。

二巻でパワーアップしてることを願ってるわ。

 

なぜ、勉強オタクが異能戦でもトップを独走できるのか? (GA文庫)

なぜ、勉強オタクが異能戦でもトップを独走できるのか? (GA文庫)

 

 

庄司ラジオでまたまたあたしのメールが読まれたわよ!

www.youtube.com

 

24:06からよ!

日本人の半分以上はゾット帝国レベルの文章しか理解できない。

なろうネタが取り上げられる度、話題に挙がるゾット帝国。

この前も、まとレーベルがなろう有名ネタ特集で紹介してたわ。

代名詞に親でも殺されたんじゃないかと疑いたくなるほど、同じ単語を何度も繰り返してる文章が特徴的ね。

 

 ミサがオレたちの頭上で呪文を詠唱した声が聞こえたかと思ったら、オレの身体がジャンボシャボン玉に包まれ、ふわりとオレの身体が浮き上がる。
 その間に奴らの攻撃がオレのジャンボシャボン玉に当たるが、奴らの攻撃がジャンボシャボン玉に吸収されてゆく。

「ど、どうなってんだ!?」
 オレはジャンボシャボン玉の中でバランスを取るのに必死で、ジャンボシャボン玉の中で忙しく回転している。
 回転しすぎて気分が悪くなり吐きそうになり、口許を手で押さえる。
 逆さま状態で隣のネロを見る。
 ネロはジャンボシャボン玉の中でハットを押さえ、胡坐をかいてジャケットのポケットに手を突っ込んでいる。

 

  大型肉食恐竜型ハンターは、小型獣型ハンターに振り向いて大きく口を開けて吠える。
 まるで獲物の邪魔するなと言われているようで、攻撃を止めて戸惑う小型獣型ハンター
 小型獣型ハンター大型肉食恐竜型のハンターに牙を向けて威嚇したり、吠えて威嚇している。
 大型肉食恐竜型ハンターはぶるぶると頭を振って小型獣型ハンターを片足で踏み潰す。
 大型肉食恐竜型ハンターに踏み潰された小型獣型ハンターは頭を上げて吠え、頭が地面に突く。
 小型獣型ハンターの紅い眼が点滅して消え、小型獣型ハンターからばちばちと火花が散っている。
 大型肉食恐竜型ハンターがオレに襲い掛かろうとしている小型獣型ハンターを銜えて放り投げ、口の中の砲口が伸びてキャノン砲で小型獣型ハンターを撃つ。
 小型獣型ハンターが空中で身体を起こすのも虚しく空中爆発する。
 大型肉食恐竜型ハンターは尻尾で小型獣型ハンターを薙ぎ払い、口の中の砲口からキャノン砲で小型獣型ハンターを撃っている。
 小型獣型ハンター大型肉食恐竜型ハンターと戦っている。

 

ゾッ帝の代名詞と言っても過言ではない大型肉食恐竜型ハンターと小型獣型ハンターの箇所は、『ライト姉妹』でもネタにされてたわ。

 

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ま、 小説初心者にはよくあることね。

 

繰り返しを避ける方法の一つに、単語の省略や言い換えがあるかしら。

試しにジャンボシャボン玉の箇所を改良してみたわ。

 

 ミサがオレたちの頭上で呪文を詠唱した声が聞こえたかと思ったら、オレの身体がジャンボシャボン玉に包まれ、ふわりとオレの身体が浮き上がる。
 その間に奴らの攻撃がオレ(のシャボン玉)に当たるが、奴らの攻撃が虹色の膜に吸収されてゆく。

「ど、どうなってんだ!?」
 オレは宙に浮く球体の中でバランスを取るのに必死で、(その中で)忙しく回転している。
 回転しすぎて気分が悪くなり吐きそうになり、口許を手で押さえる。
 逆さま状態で隣のネロを見る。
 ネロは適度に広い空間の中でハットを押さえ、胡坐をかいてジャケットのポケットに手を突っ込んでいる。

 

赤字以外はそのままよ。

「オレの身体」「奴らの攻撃」は重複したままだし、ネロがジャンボシャボン玉に包まれた描写もないし、まだまだ読みにくいのはご愛嬌。

けれど、最初の文章と比べればリーダビリティは大幅に改善ね。

 

ところが、どうも現実はその逆らしいの。

多くの日本人は、省略や言い換えをされると文章が理解できなくなるみたい!

 

庄司智のラノベ編集者NIGHT! SIN 【第4回】で、人工知能ラノベ作家が代替されるんじゃないかってお便りを投稿したわ。

代替可能性はラノベ作家に限らず他の職業でも考えられるわけで、職を奪われないためには、AIが不得意としてるスキルを伸ばしてかなきゃ生き残れないわよね?

 

それが読解力。

ディープラーニングによるAlphaGoの快進撃は記憶に新しいけど、そんな最新技術をもってしても、文章読解は未だに難しいらしいの。人工知能は文の意味を理解していないから。

 

なら意味を理解できる(はずの)人間の読解力はどれほどかというと……

次の問題を見てちょうだい。

 

Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

問 Alexanderの愛称は(  )である。

A Alex 
B Alexander 
C 男性 
D 女性  

 

アミラーゼという酵素グルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

セルロース(  )と形が違う。

A デンプン
B アミラーゼ
C グルコース
D 酵素 

 

これらは中高生の読解力を測るために作られた問題よ。

文章構造さえ掴めれば、どっちの問題も答えがAであると答えられるわ。

肝心の正解率は……

 

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この数字を高いと思うか低いと思うかは任せるわ。

誤解を招かないようにいくつか補足しておくと、

 

  1. 出題は全て日本語
  2. 簡単な問題*1の正答率はほぼ一〇〇%

 

だから「Alexの問題は英語で書かれてたからできなかったんだ!」「中高生は適当に答えるに決まってる!」なんて反論は無意味よ。

 

中高生の話はこのへんにしといて、じゃあ大人はどうなのか。

 

togetter.com

 

コメント欄を見ての通り、八割以上が*2問題を批判してるわ。

まあアミラーゼの問題に関してはかなり専門的な雰囲気がするし、科学的には他の選択肢も正解っちゃ正解なんでしょうけど……

 

ヤバいのはAlex問題の批判者。

「中高生は愛称の意味を知らなかった」とか言っておきながら、意味を知ってるはずの大人なのに間違えてるのよ。愛称がニックネームって分かってたらA一択でしょ!

どこの世界に「女性」なんて愛称があるのよ!

 

この誤答に対して

 

  1. Alexandraの愛称はサンドラとかサーニャもある!
  2. 文章が分かりにくい!
  3. 名前と愛称は違うだろ!

 

というのが不正解者の主な言い訳ね。

 一番上に関しては「選択肢にない」で終わり。「逆が真とは限らない」とか論理に強そうに振る舞おうが、それは他の選択肢を選ぶ理由にはならない。

 

二番目と三番目は、まとめると「私は言い換えや省略をされると文章構造を考えなくなります」ってのと同じなのよね。

「主語」か「キーワードに一番近い名詞」を探すだけで終わっちゃう。

 

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Alexの問題を、言い換えや省略なしで作り変えるとこうなるわ。

 

Alexは男性にも女性にも使われる愛称である。Alexは女性の名Alexandraの愛称である。Alexは男性の名Alexanderの愛称でもある。

 

こうしてくれれば解けたのに。

そう愚痴るのであれば、ゾット帝国を笑えない。

 

 

 

*1:http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-2.pdfにある天の川銀河の問題。

*2:実は半分どころじゃない。

PVランキングで「夏日和」を超えて二位になったわ!

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あたしすごくない!?

シリアスアクション? 違うわ! ぽんこつ吸血鬼コメディよ!――『魔法と夜のウォンテッド! 』

魔法と夜のウォンテッド! (電撃文庫)

 

最強最悪の吸血鬼を倒すのか、嫁にされるかDEAD OR BRIDE!!
……え!? 嫁ってなに!?

かつて最強最悪と恐れられた吸血鬼を運悪く解放してしまった九条翔馬は全国手配に。吸血鬼復活に揺れる魔法都市横浜、捜査に動き出す魔法機関。そんな中、翔馬は機関員の風花まつりに求められ、秘密裏に吸血鬼打倒を目指す。一方、吸血鬼は魔力を取り戻そうと『九条の血』を狙っていた。
来る戦いに備え、同居を始める翔馬とまつり。だが、二人の前に美しき転校生が現れる。その正体は吸血鬼で、彼女の武器は吸血した者を『嫁』にする力だった――!?
もし機関に逮捕されれば即死亡。吸血鬼を倒すか、嫁にされるか、DEAD OR BRIDE!!

 

青一面の冷たい雰囲気漂う表紙から、この物語が吸血騒動で人死に多発のシリアスな作品だって第一印象を抱いて、読むのを躊躇しようとしなかった?

だとしたらもったいないわ!

この作品は初見の印象とは裏腹の、ギャグ満載ドタバタコメディなのよ! 

 

「よくぞ我が封印を解いた!! 人間!」

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!」

 それはグリムフォード魔法学院の地下、進入禁止区域。

 目の前に立ちふさがるは、真紅の瞳。

 突然の出来事に九条翔馬は腰を抜かしていた。

 え、なに、なにこれ?

 どうなってるのこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!?

 わ、訳が分からねえよ! 一本道でやってきた学院地下の謎の部屋。その全面に描かれていた魔法陣が突然光りだしたと思ったら、白髪で赤い目の女の子が……きゅきゅきゅ、急に!

(略)

「だが、かけられた封印は一つではない。我が魔力にもそのほとんどを封じる魔術がかけられているのだ……そしてその封印を解く方法は、たった一つ。それがなんだか分かるか?」

 翔馬は首を振る。でも、なんだろうイヤな予感がする。

「それって、な、なに?」

 マジでものすごくイヤな予感がするんだけど!

 慄く翔馬。すると吸血鬼はその赤い瞳を細め、ノドを鳴らした。

「……封印者の一族であるお前の生き血を吸い、その魔術まで支配することだ!」

「やっぱりねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――――ッ!!

 

ね、意外と軽めの文体でしょ?

この文体が、キャラの魅力を引き出すのに一役買ってるの!

 

ぶっちゃけ主人公サイドはヒロインに全然魅力ないんだけど、敵側のキャラがみんな可愛いのよっ!

特にアリーシャが絶品だわ!

 

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モノクロだとあんまり可愛くないけど……

 

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(真ん中がアリーシャ)

 

カラーだとこんなに可愛いの! 

制服着て、ニーソ履いた脚組んで、髪の毛をなびかせながらキリッと決めてる表情が悪役とは思えないくらいキュート!

 

しかもね、両サイドの二人も結構魅力的なのよ!

イタズラ好きのメアリー(右側)がアリーシャにちょっかい出して、冷静さを保てず普通の女子高生っぽい口調になっちゃうアリーシャのギャップに萌え!

 

「実は今日、アリーシャちゃんにプレゼントを持って来てるんだっ」

「……プレゼント?」

「うんっ。アリーシャちゃんの役に立ったらいいなと思って」

 そう言ってメアリーは持っていた革製のバッグから様々な本を取り出すと、そのままテーブルの上に積み重ねていく。

「なんだ……これは?」

「メアリーおすすめの恋愛小説、マンガ、その他もろもろでーすっ」

「この悪の吸血鬼に、一から恋愛を勉強しろというのか?」

「あれれ? いらなかったぁ?」

 お伽話に出てくる小動物のように、メアリーは可愛らしく首を傾げてみせる。

「…………ま、まあ本来なら必要ないが、、目を通すくらいはしてもいいだろう」

(略)

「なによこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――っ!?」

 盛大に吹き出した。

 悲鳴を上げ、手にした本を大慌てでメアリーに突っ返す。

「どどどどうして、こ、こ、こんな物が入ってるのよッ!!」

 アリーシャは思いっきり顔を上気させていた。

「あーこれ? ちょっとエッチな手をあれこれ使うのも効果的だと思って。男子はみーんな大好きみたいだよ、この『悦楽天』って雑誌」

「そそそそんなのは必要ない!」

「ほら、こういう感じでガバっと九条くんを押し倒して……」

「ペ、ページをめくって見せるなっ!」

「ほらほら見て見て」と動きまわるメアリーから、アリーシャは全力で顔を背け続ける。意地でも『悦楽天』を視界に入れないつもりだ。

 しかしメアリーは止まらない。

「……九条くん、お願い電気を消して」「アリーシャ……これでいいかい?」「あ、九条くんっ待って」「もう我慢できないよアリーシャっ!」「ああっ九条くん、そこはァっ」

「一人舞台を始めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――ッ!」

 

悪の吸血鬼のくせして意外とウブなのね。

メアリーがいじり倒したくなる気持ちがよく分かるわ。

 

もう一人、人狼の玲(さっきのカラー左)は可愛い物に目がなくて、ときどき暴走してはアリーシャにツッコまれるの。

 

「……さっきのはさすがにやり過ぎだけど、メアリーの一人舞台、悪くはなかったわよね」

 ソファにもたれかかったアリーシャは、考え始める。

 電気の消えた状態で二人きりなんて、そんなのもう勝ったも同然だもの。

 ようやく顔の熱が引いてきたアリーシャは、きょろきょろと当たりを見回す。そして誰もいないことを確認すると、重ねられた本の中からいくつかをそっと引っ張りだした。

「ま、まあ、これくらいなら」

 そしてそこまで肌の露出が激しくないものを選んで、恐る恐る中身を開いてみる。

 ――――その瞬間だった。

 バーン!! と、ドアが壊れるほどの勢いで開いた。

 ビクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!

 これでもかというくらいに高く飛び上がったアリーシャは、大慌てで手にした本を背に隠す。

「な、な、な、なにッ!?」

 うろたえながらドアの方を見ると、そこにいたのは息を切らせた玲だった。

 ドキドキと鼓動が高鳴って仕方ないアリーシャへ、玲は元々鋭い目をさらに細め、キリッとした表情を向ける。激しい吐息に合わせて大きな胸が揺れていた。

「アリーシャ様がエッチなあれこれと聞いて!」

「出てけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――ッ!!」

 

こんな感じで結構面白い作品なんだけど、二巻以降は電撃文庫から出版されなくてカクヨムで連載してるのよね。

 

kakuyomu.jp

 

つまり売上が芳しくなかったってことかしら。

実際改善すべき点はかなりあって、

 

  1. 表紙からコメディだと分かるようにする(本当はタイトルもどうにかすべきだけど、今更変えられないし……)
  2. 用語辞典はカット(コメディには不要)
  3. アリーシャ達のイラストを増やす(九ニページからニ六九ページまでイラストなしってどうなの?)
  4. アリーシャ達の出番を増やす(その分まつりの出番を減らす)
  5. 主人公とアリーシャをもっと仲良くさせる(正体がバレたっていいかも)

 

ってとこね。『緋弾のアリア』を参考にするといいんじゃないかしら。

高樹凛先生が上手くストーリーを作れなかったのかもしれないけど、それを修正できなかった編集の戦略ミスでもあるわ。

 

ラノベは基本、楽しくあるべきよ!

 

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こんな宣伝で売れるなら誰も苦労しないっての!

 

魔法と夜のウォンテッド! (電撃文庫)

魔法と夜のウォンテッド! (電撃文庫)

 

 

面白さ、ドッゴーンと急降下――『とんでもスキルで異世界放浪メシ 2 羽根つき餃子×幻の竜』

とんでもスキルで異世界放浪メシ 2 羽根つき餃子×幻の竜 (オーバーラップノベルス)

 

ムコーダを狙う新たな女神の影!?

「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から剣と魔法の異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダこと向田剛志。
現代日本の商品を取り寄せる固有スキル「ネットスーパー」だけが頼りのムコーダだったけど、彼が作る料理目当てで伝説の魔獣フェンリルのフェルが従魔に!
さらにスライムの子供スイも加わって、ゆったりのんびりと旅を続けていた。
ときには冒険者として町を危機から颯爽と(?)救い、ときには商人として奥様方のハートを掴んでいく(?)ムコーダ。
そんな旅の途中で、新たな仲間との出会いが……?
一方、相も変わらず神界からムコーダへこっそりとお供えを要求する風の女神ニンリルだったが、彼女の抜け駆けがとうとう他の女神たちの知るところに!
そして、あのニンリルの同僚たちがムコーダの「ネットスーパー」を黙って見逃すはずもなく……!?
小説家になろう」年間1位のとんでも異世界冒険譚、堂々の第2巻! 

 

二巻発売からそろそろ二ヶ月経とうとしてるのに、ブログの『とんスキ』人気は全然衰える気配がないわね。

未だに注目記事に『とんスキ』のコンテンツが出てくるし。 

 

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それだけあたしのレビューを待ち望んでる読者が多いってことかしら。

本当は発売当日、あるいは少なくとも発売週に投稿すべきだったんだろうけど、ぶっちゃけ二巻が期待を裏切るつまらなさだったのよね。

だから書く気になれなかったの。

 

一巻のレビュー最後で「擬音密度の上昇」と「主要キャラの早期登場」を要求したわけだけど、二巻ではそのどちらも果たされてなかったわ。

例えば『とんスキ』を象徴するスイのビュッビュッするシーンは

 

 森の中を歩いていると、早速ゴブリンを発見。3匹いるな。

『あるじー、スイがビュッビュッってやっていい?』

「いいぞ」

 ビュッ、ビュッ、ビュッ。

 ゴブリンはスイの酸弾に当たってバタンと倒れる。倒れたゴブリンは3匹とも腹に大きな穴が開いていた。……相変わらずすごい威力だな。

 

 

『デカいのが来るぞ』

 フェルのその言葉の後に姿を現したのは、幅だけでも1メートルはありそうな超がつくほどデカいムカデだった。

「ギィィィィッ」

「こ、これがジャイアントセンチピードかっ!?」

『うむ。少し待っていろ』

 フェルがジャイアントセンチピードに対峙し、いざ攻撃をというところで……。

 ビュッ。ドサッ。

 頭をもたげていたジャイアントセンチピードが横にドサッと倒れた。

 ジャイアントセンチピードの顎下から脳天にかけて大きな穴が開いていた。

『ヤッター! スイ大きいの倒したよー』

ス、スイ……。

 

の二つだけ。

ビュッビュッしない『とんスキ』なんて、AAのない包囲殲滅陣だわ!

 

あと、表紙中央を陣取っててタイトルでも触れられてるドラちゃんについて。

初登場が三三〇ページってどうなのよ!

モロに『戦慄の魔術師と五帝獣』の轍踏んじゃってるし! 

 

あー……もう二巻で切っちゃおうかしら。

ただその一方で、評価できるポイントも二つあるのよね。

 

一つ目は、前巻と比較してスイの出番が増えたこと。

ビッグスライムになったり、鞄からジーッと覗いてたり、フェルにシャワーをかけてあげたり……それら全てに挿絵が付いてるのもいいわね。

挿絵は無いけど、ダンジョンを楽しみにしてるスイの描写も可愛いわ。

 

『ぬ、ダンジョンか。人の街にあるダンジョンは初めてだな。面白そうではないか』

 フェル、ダンジョンに反応しないの。なんか嫌な予感がするな……。

『ダンジョン? 戦うのー?』

 ああ、スイも鞄から這い出してきちゃったよ。

『ああ、そうだ。スイ、ダンジョンに行くぞ』

『ダンジョン~』

 何故かテンションが高くなったスイがポンポン飛び跳ねる。

 

ニンリルの出番が増えてたのも好評価ポイントね。

 

 ど・れ・に・し・よ・うか・のう~。よし、これなのじゃ。赤い果実らしきものが載った白くて三角の”すとろべりーしょーとけーき”という菓子じゃ。どれどれ、パクリ。むっはー、こ、これはものすごく美味しいのじゃーッ! 中のふかふかと周りの白いのがすっごく合うのじゃ。この赤い果実も甘酸っぱくて実に良いのう。パクパクパクパク。はっ、もうないのじゃ。

 ちょっと食べ足りない気がするから、もう1ついただくのじゃ。次はー、これじゃ。丸くて柔らかい”しゅーくりーむ”というやつじゃ。どれどれ、パクリ。むはーッ、周りのふんわりしたものの中の黄みがかった甘~いのがたまらんのう。これは良いっ、美味いのじゃ。パクパクパクパク。はっ、もうないのじゃ。

 

さて、三巻はどうしようかしら……?

 

とんでもスキルで異世界放浪メシ 2 羽根つき餃子×幻の竜 (オーバーラップノベルス)

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