ステータスを自由に操り、ゲームの中のような異世界でのんびりスローライフを楽しもう!
ある日、通販で買い物をしていると面白い商品が出品されていた。
その名は『異世界生活』。興味を持ち、軽い気持ちで購入すると、
ジョブとステータスで全ての能力が決まってしまうゲームのような異世界に入り込んでいた!
購入時に付けたオプションでジョブを自由に設定できるチート能力を使ってお金を稼ぎつつ、
かわいい奴隷少女たちとハーレムスローライフを始める!
書籍化に伴い大改稿!
大ボリュームの書き下ろし2編も収録!
あんたたち、どうせ台風で外出られなくてヒマでしょ?
ならあたしのレビューでも読んでいきなさい!
……なんて言ってる間に台風過ぎちゃったわね。
その日中にレビュー書き終わる執筆速度が欲しいわ。
twitterではちょこちょこ話題に上がるDIVERSE NOVEL作品。
発売元の三交社って全然知らなかったから、リンダパブリッシャーズみたいに歴史の浅い企業なのかと思ってたけど、設立は一九六五年と結構昔なのね。アスキー(一九七七年設立)よりも前。
単行本作品って、レーベルは知ってても出版社は全然知らないのよね。
芽羽が実施してたライトノベルテストでレーベル問題出てきて何とか正解できたけど、全くの偶然だし。
調べてみたらサーガフォレストの一二三書房は一九五一年、GCノベルスのマイクロマガジン社は一九八四年、TOブックス(これが社名!)は二〇〇三年みたい。
老舗出版社が単行本市場に参入してるケースが多いのかしらね。
三交社はDIVERSE NOVEL以外だと、UGnovelsも出してるみたいね。
有名なのは『異世界の気象予報士~世界最強の天属性魔法術師~』かしら。
稲葉めとが書籍版もイラスト担当してたら間違いなく買ってたわ。
編集に期待されてるみたいだから、いつかレビューはするつもりだったのよね。
ここの編集ってかなりフランクだし、作家だけじゃなくて読者にも積極的に絡みに行ってるから、レビューすれば面白おかしく取り上げてくれるだろうから。
ただ元がノクターンなせいで、清純派なあたしに合う作品がなかなか出ない。
『復讐の為に鐘は鳴る』はグロそうだし、
『トモハメ』は「おっぱいデカくすればいいんだろ?」って魂胆が透けて見えるし、
『異世界でビッチな女神様の信者を増やす簡単なお仕事です 』はウェブ版読んでみたら卑猥な単語が飛び交いまくってるし、
『姻神之島』はノベルゲーみたいな第一印象であまり手に取る気しなくて、
『不屈の善戦帝王』はあたしの苦手な戦記ものっぽくてパスで、
『ぼくがビッチになったワケ』は人間関係がドロドロしてそうで、
『メモリーリライト』もウェブ版読んでみたら『異世界ビッチ』に負けず劣らずの淫語オンパレードだったし、
そんなわけで「あたしには合わないんじゃ……」と敬遠してたわ。
でも『ステータスマイスター』だけは、他の作品と比べて卑猥な印象があまり感じられなかったのよね。帯の「奴隷ックス」だけはヤバそうな臭いしたけど。
エロっぽくない表紙のおかげで買いやすいわね。
ひいらぎちゃんねるの装丁デザインは興味深く見させてもらったわ。
「ステータスって変動するものじゃないですか」と伸ばし棒をギザギザ矢印にするアイデアに感心。プロは目の付け所が違う。
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口絵だって、これだけ見せられたら誰もノクターン原作だと予想できないでしょうね。
本文も、なろう系によくある普通の異世界コメディと何ら変わりないわ。
例えば、通販サイトで「異世界生活権」を見つけるシーン。
『異世界生活権』――この作品だけは簡潔なタイトルだけれど、内容が全く読めない。ただ単に生活するだけの話だろうか。それだけだと俺の食指は動かない。うーむ、分からん。
(略)
――異世界で過ごせるらしい。それにしても……。
「くっそたけぇな……」
思わず声に出てしまった。というか、俺の探していたライトノベルですらない。しかも出品者が自称神とか馬鹿にしているのだろうか? どう見ても悪戯出品だよな……。
そもそもこんな高い商品は目立つし、悪戯出品なら通報が入り次第、運営から即削除されているはずだ。まだ削除されていないってことは出品されたばかりなのか、はたまた本物なのか――まさか、誰か買った奴でも居るのか。レビューでも見てみるか……。
・自称神A ★★★★★ 具合がすごく良いです!
・自称神B ★★★★☆ この商品を買ったら彼女ができました!
・自称神C ★★★★★ この商品を買ったら宝くじが当たりました!
・自称神B ★★★★☆ 異世界ライフ楽しいです!
「っ! 何これっ! あははは。じ、自演! ははは!」
思わず声に出して笑ってしまう。
面白すぎる。一昔前、雑誌裏とかの詐欺広告で使われていた常套句じゃないか。
それにこの「出品者、レビューを書いたらユーザー名が表示されることを知らないのだろうか? 全部自作自演じゃねーか! しかも複数のアカウントを作ってまで……。感想に書いてある、良い具合ってなんだよ! 何の具合だよ。色々想像するわ。
ね、このツッコミ無用の流れはなろう系によくあるでしょ?
八〇ページくらいまでは、こんな感じの軽い調子で進むから読みやすいわ。
問題はその先よ!
ミリアは奴隷で、奴隷とヤっちゃったら主人にバレるようになってるの。
でも美少女がいたら性欲を発散したくなるのは男の性よね?
だから主人公はどうしたのかというと……
意識を失ったミリアを優しく抱き寄せて、もう一度キスをした後、メインジョブを魔術士にしておいた。
やることはやったので、布団をゆっくりと剥ぎ取り、スカートを捲る。
失禁した時はおんぶ状態だったので尿しか楽しめなかったが、今は違う。
ゆっくりと下着を脱がし、至近距離で秘部を拝む。ここには入れられないのか。奴隷紋め……。
(略)
ミーアには手を出すなと言われているが、この興奮は抑えられない……カッシュに聞いた話だと、奴隷は処女かどうかが問題らしいし、膣は避けた方が良いだろう……そうなると、答えは一つ。
ミリアをうつ伏せにし、ぷりっとした控えめな小さなお尻を持ち上げると、小さな穴――アナルが顔を出す。唾液で濡らした指でアナルに刺激を与えると、キュッと力が入り、小さくなってシワが中央に集まる。
いやーきついわね(素)
普段レビューで心のちんこ心のちんこ叫びまくってるから下ネタには多少耐性があるかと自負してたけど、流石のあたしでも「これはちょっと……」って引いたわ。
DIVERSE NOVELの編集には申し訳ないけど「美少女のお尻の穴に、心のちんこをぶちこみたいっ!」って欲求はこれっぽっちも存在してないから、どう逆立ちしてもこの作品に肯定的な評価ができないのよね。
一七歳で性癖偏差値三〇前半のあたしには刺激が強すぎた。
同じノクターン原作でも『VRエロゲー』はここまでハードじゃなかったのに。
やっぱり非一八禁作品も出してるレーベルじゃないとあたしには合わないっぽいわ。