とある王女の書評空間(ラノベレビュー)

二次元世界のエリート美少女による、宇宙一クオリティの高いラノベブログよ!

GA文庫に相応しい、王道を歩む傑作――『なぜ、勉強オタクが異能戦でもトップを独走できるのか?』

なぜ、勉強オタクが異能戦でもトップを独走できるのか? (GA文庫)

 

すまんな。その攻撃は予習済みだ!

「教えてやろう。勉強は最強だ! 」

異能に目覚めし『覚者』が集まる学園でただ一人、ひたむきに勉強に打ち込む男がいる。
その名は神堂学斗。
戦闘力至上主義のこの学園では決して評価されない『学業』を極めた学斗は……正に連戦連勝!
学術的知識を過度に過剰に応用すれば

ゴム手袋で電撃を無効化! 暗記術で不良どもを撃退! 超音波でテロリストを一網打尽! 量子トンネル理論で敵アジトに直接攻撃!

「って、そんなわけないでしょ!?」
しかも勉強オタクのくせに序列第1位を目指すって、頭が良すぎてむしろバカ!?

勉強オタクが己の信念を貫き通す、知識欲王子の学園下剋上ゲーム、開幕!!

 

『魔王と姫と叡智の書』以来三年半ぶりに霜野おつかい先生をレビュー。

結局三巻は出ないのかしら? 夏コミ編見たかったのに……

 

表紙、『魔法学園<エステリオ>の管理人 ~最強勇者だった俺の美少女コーチングライフ~』 みたいなおっぱいを強調するコルセットがいいわよね。

左腕で隠されてても大きさが分かるほどだもの!

 

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ヒロインの天音がもうね、可愛いのよっ!

赤髪ツインテールで、ツンデレで、おっぱい大きくて、チョロインで……萌え要素でいっぱいなの!

 

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このシーンなんて、思わず押し倒しておっぱいを揉みたくなっちゃうわ!

 

名門の生まれだけど、オタ知識もありそうで親近感持てるわね!

ポケモンを引き合いに出して反論する姿がコミカルだわ!

 

「ぐっ……く! なによこんな水、どうってこと…………なっ!?」

 とたんにその顔が驚愕に染まる。

 じっと見つめる手の中の剣からは、わずかな火花すら上がらなかった。

「なんで……!? なんで電気が出ないのよ!?」

(略)

「今しがたお前が踏んだ水たまりは、ただの水だ」

「み、水ぅ!?」

「知ってるか? 水も電気を通さないんだぞ」

「ばっ、バカを言わないで! ふつー逆でしょ!?」

 裏返った声で叫んだかと思えば、天音はまなじりをつり上げる。

「水は電気を通すんだから! ポケモンだって、電気は水に『こうかばつぐん』になるじゃない! でたらめぬかすんじゃないわよっ!」

 

上で挙げたように、序盤は「夜桜甘夢リスペクト」的な側面が強いかしら。

氷の能力に塩で対抗したり、雷の能力に避雷針で対抗したり。

 

「はあ!? さ、さっきから聞いてりゃお前……何様のつもりだよ!」

「単なるいち優等生様だが?」

 真面目くさって答えてやると、男子生徒はわかりやすく顔を歪めてみせた。

 その手をかざすと青い光があふれ――水晶のような短剣が現れる。

「部外者は黙ってろ! これは俺と彼女の問題だ!!」

「ほらこの通りの粗忽者ときた。しかし氷の能力か……」

 女子生徒を背中でかばって学斗は悠長に構える。

 氷の剣を前にして――。

「だったら対処は簡単だな」

「なっ!?」

 懐から取り出した白い粉を叩きつけた。

 するとたったそれだけで、男子生徒の剣は何倍もの大きさに膨れ上がった。

 急に増えた重量のためか彼はバランスを崩してたたらを踏む。そのまま地面に盛大にすっ転び、顔面から倒れたせいで「ぶぐゅっ」とおかしな悲鳴をあげて黙りこんでしまう。

 これで一件落着だ。女子生徒はただただ目をしばたたかせる。

「い、今のは、いったい……?」

「なに。塩をかけると氷の温度が下がることは有名だな」

「は、はあ……」

「その理論を利用し、剣の温度を下げ、空気中の水分をまとわりつかせ巨大化させたんだ!」

 

「ますます意味、わかん、ないしッ!!」

 天音がダンッ、と威嚇するように床を蹴りつける。

 その瞬間、体から火花がはじけ、何十ものボールサイズの雷の玉がうかびあがった。

「これだけあればっ、防ぎきれないでしょ! 雷弾!!」

 剣をまた力任せに振るうと、それらがいっせいに放たれる。

 立てる爆音は、さながら蜂の大群が奏でるような不気味なものだ。やはり今度もその大部分が狙いを逸れてしまうのだが、それでも十といくつかはしっかり敵へと襲いかかった。

「ふむ。たしかにその数はすこし面倒だな」

 だが学斗は動じずに、その場でカバンをごそごそと漁り始める。

 やがて中から取り出したそれを、遠く離れた場所に放り投げた。

「はああああああああ!?」

 突然、天音の声が裏返る。

 なにしろ放った雷弾の群れが、一斉に進路を変え、不自然なカーブを描いたのだ。

 それらはまっすぐ学斗の投げたもの――床に張り付き高く伸びた金属棒へと着弾し、まばゆい火花をあげる。しかしそれも一瞬のことだった。あとに残るのは白い湯気だけである。

「ふっ、こんなこともあろうかと、携帯用の避雷針を急ごしらえで作っておいたんだ」

 

じゃあタイトルオチの一発ネタ作品かっていうとそんなことはなくて、強力な異能を持ちながらも名家の落ちこぼれな天音と、勉強はできるけど最底辺の異能しか持たない学斗が互いを補い合って頂点を目指す、『落第騎士の英雄譚』を髣髴とさせる王道ストーリーに仕上がってるわ。

 

「あんたにっ……私の何がわかるっていうのよ!」

(略)

「お前の心情など知るものか。あいにく、そういった他人の心の機微にはとんと疎くてな」

「だったら知ったような口を――!」

「だが、挫折の味なら嫌というほど知っている」

 天音の台詞を遮って、学斗はきっぱりと告げる。

「俺の異能レベルは1だ。どうだ。覚者として、これほど見事な挫折があると思うか?」

「っ……」

「このおかげで、どこの覚者養成機関からも門前払いだ。叔父上の力を借りてこの学校に入学したはいいが、レベル1ということで実技訓練などは強制見学。おまけにこの体力のなさときた。このとおり、俺は何度も挫折を味わった。だが、それでも俺は夢を諦めない」

 黙りこんだ天音に、学斗はまっすぐ目を向ける。

「お前もかつては夢を見たんだろう。最強ってやつを。そうじゃないのか」

「……昔はね」

 天音は観念したように吐息をこぼし、学斗から手を放す。

「私だって、戒森家の人間として……いいえ、そんなの関係なく。強い人たちをいっぱい見てきたからこそ、誰よりも強い、ヒーローになりたかったわ」

「だったらその夢を、俺ともう一度だけ見てみようじゃないか」

 学斗は、まっすぐ右手を差し出した。

 

力は弱くとも、何度挫折しようが決して諦めない学斗。

GA文庫の主人公たるに相応しい人物だわ。

 

改善点としては、iの存在意義があまり感じられなかったこと、最終戦があっさりしすぎたこと、モノクロイラストが手抜きっぽいことね。

二巻でパワーアップしてることを願ってるわ。

 

なぜ、勉強オタクが異能戦でもトップを独走できるのか? (GA文庫)

なぜ、勉強オタクが異能戦でもトップを独走できるのか? (GA文庫)