『このライトノベルがすごい!2019』の発売が迫ってるわね。
書店ではまだ売られてないけど協力者にはもう送られてるようで、「コメントが採用されました!」って喜びのツイートを見かける。
年一度のお祭りに向けラノベ読みが盛り上がる中、一つの戦いが終わりを告げたわ。
その名は龍皇杯。
ファンタジア文庫の選ばれた作家が集い、ただ一つしかない書籍化の座を目指して人気を争う、言わば「ラノベ版天下一武道会」ね。
まあ、実際のところは戦力外通告者のための「トライアウト」的な位置づけだからエントリー作品にあまり面白さを感じないんだけど、一つだけ面白い作品があったわ。
それが渡葉たびびと先生の『俺の部屋に勇者と魔王は入りきらない』よ。
勇者や魔王の出てくる作品が大好きって理由もあるけど、キャラがとても立ってるの!
現代文明にすっかり染まったせいで、勇者はエロゲを嗜むガチオタになっちゃうし、魔王はギャルになって口調まで変わっちゃうし。
もちろん、 勇者も魔王も美少女だから、どっちでシコっても大丈夫!
本文を引用してみたから参考にしなさい!
「おのれ魔王……! おとなしく『それ』を渡しなさい!」
勇者リーネが飛びかかる。それを魔王ゼノは、ごろんと寝返り一つでかわした。
「えー? これは今、アタシが使ってるんですけど」
「くそっ、早く奪わないと!」
リーネはまだ諦めずに挑み、二人の少女はどったんばったんと床を転げまわる。
「うぐ……ぐぐぐぐぐ」
「むむ……むむむむむ」
ゼノが持っていた「それ」を、リーネが
掴 んで引っ張る。力比べだ。以前ならこれで一つの世界が揺らいだかもしれないが、今この戦いで揺れるのは、せいぜいアパートの部屋一つ。いや、つまり俺の住んでる部屋なんですけど。だから俺としては揺れちゃあ困る。あっホラ、棚のフィギュアが一つ倒れたぞ。どうしてくれるんだ。
だが
奴 らは、そんなことは気にせず争いを続ける。リーネが渾身 の力をこめて叫ぶ。「渡しなさい……渡せよ……! その『タブレット』を!!」
「やだ」
二人は力を入れたまま離さない。薄い板状の電子機器――タブレット端末をだ。いや、それも俺のなんだけどさ。
「これ、凄いんだもん。魔界の
照水晶 にもこんな機能なかったし? だからこれはアタシが貰 うし、人類も滅ぼす」「ゆ……許せない。世界もタブレットも、お前の好きにはさせない……!」
リーネが
拳 を振りかぶる。勇者の拳、正義の拳だ。何しろ今、タブレットのついでで人類が滅びかけている。彼女らにとって、これはそのくらいの一大事らしい。なぜなら――
「だって……だってまだ、あのアニメの先週分見てないんですよ! 今期の覇権ですよ!?」
「いやいや。今アタシがネイル動画見てますから。ネイル込みでトータルコーデだから。ここ押さえないと神ギャルになれないし?
神ってか魔王だけど」
「人類滅ぼすならネイルとかいらないでしょ!?」
「いいところは貰ってから滅ぼす」
二人にはそれぞれの正義があり、だからタブレットが必要なようだった。なんていうか……お前らホントにそれでいいの?
リーネもゼノも可愛すぎてお城に連れ込んじゃいたくなるっ!
エントリーしてる八作品の中で一番完成度が高いわ!
カクヨムでの人気だってこいのぼり……じゃなくてうなぎのぼりよ!
二位を星五〇個近く引き離す圧勝っぷり。もう優勝は確定ね!
渡葉たびびと先生の勝利を微塵も疑わず、結果発表を迎えると……
はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!??????
いつの間にか負けてるし!
何このウサギとカメみたいな逆転劇!?
https://t.co/0yRcsJjGtw
— 渡葉たびびと (@Im_tabbto) November 20, 2018
龍皇杯の結果が出ました!惜しくも……2位!本当にギリギリの僅差でした!惜しかったなー! 応援ありがとうございました!!
あぁーっ! こうなると分かってたらブログで宣伝すべきだったわ!
「疲れて記事書く気力ないし、カクヨムにはレビュー書いたし、どうせ負けないから大丈夫でしょ」なんて楽観視してたあの時のあたしを蹴り飛ばしたい!
一〇票差なんて、あたしの力で簡単に巻き返せたじゃん!
あたしのバカバカ大バカーッ!!!!!!
,.‐''" ̄`丶、 ひどい…!ひどすぎるわっ……!
/ \ こんな話があるのっ…!
/´ \
/ |\_>、_ 、r‐、 \ 疲れながら… やっとの思いで…
レ! ||_| |/_ ヽ\} \ レビュー書いたのに… やり遂げたのに……
|八|-/>、∪_ u`i ト、 \
/ / ,くィ夕u' | |/ ``‐- 、_.、__\ 僅差っ…!
|/ / /_ヽ┐u | ,| / ,-,.=====ゝ
ヾ' / r┘|.l__人 | /\// \ あの一〇票がもぎ取ってしまった……!
\ ) | N / //\./´ ̄`丶
|u | /|(l(l「| | | | せっかく手にした
| u| / | ヾ-イ .|| l、 渡葉たびびと先生の未来…希望…
_| |/| | \_|_|,. く. \
ハ.___ハ >、 \ \ \ 書籍化を……!
たった一〇票差で書籍化されないなんて嘘でしょ!? 嘘だと言って!?
カクヨムで一位ってことは、実際に読んだ人間からの評価が高かったって証拠じゃん!
絶対に書籍化すべきよ! リーネとゼノの物語があれで終わるなんて認めないわ!