「ホントに異世界だな、これ」「アタシを養いなさい!」女神ローラの唯一の信者として、異世界へと召喚された少年ケーマ。彼に与えられたのは、食べたものの経験値・スキルをそのまま獲得できちゃうチートスキルだった!狩った魔物や異世界ならではのグルメを堪能するケーマの美味しい日々は、「ふえぇぇ~!」巨乳だけが取り柄の駄女神をイジったり、「ご恩は、一生忘れませんっ!!」助けたウサ耳娘に懐かれたり、なぜか美味しい思いも特盛りで!?そして気づけば彼は、凶悪な魔物すら鼻歌交じりで蹴散らせるレベルになっていて―。美味しく食べて国士無双な、異世界食べ歩きファンタジー!
kt60先生本人からリクエスト受けたのでレビュー。
ま、 元々するつもりだったしね。
『地球丸ごと異世界転生』が想像を絶するゴミだったからもうkt60先生は終わったんじゃないかと不安になってたけど、まだまだやれるみたいで安心したわ。
まず表紙がいいわよね。
リンゴ片手に、自信満々な表情のローラ。
あたし、巨乳キャラは好きじゃないんだけど、ちり先生のイラストは何故か惹き込まれるのよね。
もう一つイラストに関して言うと、ちり先生って頭の丸みを表現するのが上手。
『帰宅戦争』で初めてちり先生を知って、『瀬川くんはゲームだけしていたい。』の挿絵は*1かなりツボったわね。
巫女JKが小動物みたいで可愛いかったわっ!
『食べるだけでレベルアップ!』でもちり先生大活躍よ!
ニワトリに負けて泣くローラ!
「ありがとね! ありがとねえぇ~~~~~~~~~~~~~~~!!」ってアホの子みたいにはしゃぐローラ!
女神バリアーで盾にされるローラ!
ちり先生がここまでいいイラストを描けたのは、kt60節が炸裂したからね!
まず主人公のケータは毒親育ちってのがいいわ!
オレはちょっぴり、ジンときた。
オレは異世界に呼ばれたが、わりと平然としていた。
どうしてかと言うと、地球での暮らしがあまりよくなかったからだ。
特に母親がアレで、家にいるのが辛かった。
細かい話は省略するが、オレが自殺したとしても、まず世間体について考えるような母親である。
父については恨みはないが、そういう母と離婚してくれていないことを理由に好きになれない。
この育ちの悪さ! まさにkt60先生の家庭環境ね!
なろう作家って実家が太くて、医者だったり年収一〇〇〇万だったりして、しかもそのエリート性を登場人物に仮託して「創作なんて金持ちの道楽なんだよ!」みたいな雰囲気醸し出しててたまにうんざりしてたのよね。
もっと「三次元はクソ! 二次元最高!」って作家がいてもいいと思うのよ。
だからkt60先生*2は好感が持てるわ。
あとはローラのアホの子描写!
「みゃあぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」「ケーマあぁ~~~~~~~~~~~!!」「みいぃ~~~~~~~~~~~~~~~!!!」「おいしいぃ~~~~~~~~~~~~~~~~!!」とか、とても知の女神とは思えない語彙力が魅力的ね!
独特の比喩で食品レビューするシーンも好き!
「ケーマ! ケーマ! ケーマあぁ!」
ローラが両手をギュッと握って、その場でじたじた足踏みをした。
あーん! と口をあけてくる。
かぽっと入れた。
もきゅもきゅもきゅ。
ローラは咀嚼し飲み込むと、両のほっぺたに手を当てて――。
「おいしいぃ~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
(><)な顔で感激した。
「なにこれ! おいしい! すごい! 爽やかすぎる若葉の騎士が、アタシの舌とこの街を、緑の香りの爽やかさで滅ぼす!!」
「ケーマ! ケーマ! ケーマあぁ!」
そして駄女神ローラが、いつものようにじたばたと足踏みをした。
エサを求めるヒナ鳥のように、あーん、と口をあけてくる。
オレはサンドイッチを食わせてやった。
もぐもぐもぐ、ごきゅん。
ローラはいつもとおんなじように、咀嚼しては飲み込んだ。
「おいしいぃ~~~~~~~~~~~~~~~!!」
いつもと同じ(><)な顔で、感激に震える。
「おいしい! すごい! おいしい!
パンと混ざったお肉と脂が、とろとろバジューンなんだけど、パンのおかげでふっくらジューシー!! ビューティフル! 水着を着ていたモデルさんも、裸で貪る国士無双よ! すごい!!」
kt60先生の十八番である短文改行が活きたわね。
追記
アキバblogがあたしの感想にリンクしてくれたわ!
食べるだけでレベルアップ! ~駄女神といっしょに異世界無双~ (ファンタジア文庫)
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