<優秀賞>正統派青春ラブコメ、第2ステージへ!
絵馬の"練習彼女"宣言で注目されたことから、大地が学祭のミス・ミスターコンのクラス代表にみりあとともに選ばれた!? 男女ペア部門の審査に向け、大地は読モのみりあから特訓を言い渡される。そんなとき、普段からみりあを小馬鹿にしてくる杏南が転入してきて、みりあは絶対負けられない!!と激しく燃え上がる。「特訓メニューを変更するわ。合宿よ!!」当然のように絵馬も二人の応援にと合宿に参加するが、時折不安げな表情を見せはじめ……? 大地の学園生活は加速度的に変化していく!
圧倒的絶賛の声ぞくぞく!!《優秀賞》超弩級正統派青春ラブコメ、第2ステージへ!
あーっ!
あれだけ頑張ってレビュー書いたのに帯コメント採用されなくてむかつくーっ!
あー王女様、丸戸先生に負けたのか....いやどう考えても負け確だろwwwww
— 緋悠梨 (@ge73hy) 2018年2月21日
そりゃラノベの王女様がいくらアピールしても帯選ばれんわw相手が悪いw pic.twitter.com/QBuHk6tHqt
— ファイター鳴沢 (@yoruharu) 2018年2月23日
うっさいうっさいうっさい!
あたしはスーパーウルトラ超絶美少女なんだから、あたしだってデビューすれば帯コメントのオファーで引っ張りだこに決まってるし!
帯コメントには採用されなかったけど、まほろ勇太先生があとがきであたしに触れてくれてるのよ! あとがきに名前が載るラノベブロガーは史上初なんだから!
さて、前回一巻のデビュー以降、ありがたい事にたくさんの方々にご好評をいただきました。特にTwitterやレビューブログ方面では「ラノベの王女様」を始めとするカリスマブロガーの方々、多数のフォロワー様に過分ある応援をいただき、本当に、感謝してもしきれません。
ファミ通文庫とHJ文庫とスニーカー文庫と講談社ラノベ文庫の新刊回収したり、アキバblogに『女騎士これくしょん』『我が姫にささぐダーティープレイ』のレビュー掲載を狙って夜が明けるまでずっと読んでたり(結局眠気に負けて書けなかった!)、忙しさで疲れるのなんの。
ラノベの刊行点数が多すぎて、優樹みたいに一日数冊レベルで読んでかないと本当に何もできない。過去記事の修正が億劫になるレベル。
発売から一週間近くレビュー書かないでたら、まほろ勇太先生から催促されてるし!
あとはラノベの王女様、拙著の初動終わってしまいますよ😄
— まほろ勇太@絶カノ②2.24発売 (@mahoro_yuta) 2018年3月1日
うちの親にも「ラノベの王女様って誰?」と聞かれたので、早く王女様の存在感を示してください。
なら親にこう説明しなさい!
あたしはラノベの王女様。
公務の傍らデビュー目指して修行に邁進する、スーパーエリート美少女なのだと!
表紙を見ての通り二巻はみりあ回だから、あたしの大好きなエレナの出番があんまり無さそうで不安だったんだけど……
「DVDを観る前に、質問いいかな?」
「ふふ、どうぞ」
突然だけど、鷹見さんへ質問してみる。
僕には気になることがあったんだ。それは、とても大事な事だ。
「――――なんで僕は踏まれているのでしょうか?」
部室に入って三秒で正座。それから鷹見さんの足が僕の頭を足置きにしているんだ!
「ふふ、驚いてしまうわ。最近の足置きは言葉を話すのね」
「ぐ、ぐぐ……話を、聞いてないな」
「それには明確な理由があるわ。最近執筆するとき足元が寂しかったからよ。まったく貴方ったら、彼氏として毎日部室に来て足置きになる務めを放棄して」
「まず彼氏じゃないし彼氏の務めは足置きになる事じゃないと思うんだけどなあ……!」
黒スト越しにパンツも見えてるのに、鷹見さんは僕を踏むのをやめてくれない。
あああああああああっっ!!
またまたパンツ見せてくれてありがとう!
一巻に続いて二巻でもパンツ見せてくれるなんて、エレナはよく分かってるわね!
そうそう、パンツといえば、最近こんなニュースがあったわ。
"PK"とは、"P=パンツ、K=くいこむ" の略語で、動作時にショーツの裾がずれ上がり、くいこんだ状態のことで、女子中高生のあいだでは日常的に使用されるワードとなっています。ワコールが「PKで不快に感じたことはありますか?」とアンケート(※1)を行った結果、84%の女子中高生が「ある」と回答。具体的なシーンとして、「体育や部活のとき」、「自転車を降りたとき」、「椅子に座っていて立ったとき」などが挙げられました。
男子はこれまで知らなかったと思うけど、女の子って何かする度にしょっちゅうパンツが食い込んで困らされてるのよ!
きっとエレナもPK経験あって、大地に直させてるのかもしれないわ!
「貴方、私は今PKでとっても困っているのだけど」
「ぴ、PK……? 何そ(げしり)」
鷹見さんは僕の頭の上に置いてある足で踏みつけてくる。
「やれやれ、そんなことも知らないようじゃ先が思いやられるわね。コミュニケーションの基本は相手に興味を持つこと。女子高生が使う用語ぐらいはある程度調べておくべきよ」
「そ、そんなこと言ったって、分からないものは分から(げしりげしり)」
鷹見さんの踏む力が強くなる。
「ふふ、いいわ。教えてあげる。PKとは『パンツくいこむ』の略よ。女性の下着事情なんて全く知らないでしょうから貴方に教えてあげると、女子のお尻ってハリがあるからパンツがくいこみやすいの。で、今まさに食い込んでる最中で私はすごく困っているのよ」
「一体僕にどうしろと……」
「決まってるじゃない。貴方が私のPKを直すのよ。直接私のパンツに手を触れて。ふふ、ミスコン一位のパンツに触れるのよ貴方にとっては最大級のご褒美じゃないかしら」
こんなやり取りがあったりして!
エッチの許可してくれるぐらいだから、パンツ触らせるのなんてどうってことなさそうと考えるとめっちゃ興奮するわね!
パンツといえば、学園祭でのミニ浴衣も気になる!
和服の場合、下着のラインが出ないようにノーパンなこともあるんですって!
だからこの口絵のエレナ(と絵馬)はノーパンの可能性があるってことよ!
これはぜひともエレナに足を置いてもらって確かめるしかないわ!
パンツだけじゃなくて、キスシーンもちゃんとあるわよ!
鷹見さんが椅子から、す、と下りて床に膝をつき、正座の僕に視線を合わせてきた。
吸い込まれそうな光を放つ黒い瞳がこちらを見つめている。紅茶や果物の香りの混じった女の子の匂いがして、鷹見さんの顔がいきなり近づいて、
「ちょ、待、鷹見さ、んんんん――――――っ!」
またキスされたぞ!?しかもちゅるちゅるちゅると下をねじ込まれて!「……ぷは。ふふ、相変わらず最低な気分。でもいいの、絵馬を守るためなら、私、命だって捨てられるから」
「待って。なんでした……本当に、なんで」
「どう? 契約を再提案するわ。女神スイッチ解除のため、私が彼女になってあげるからいますぐ私と付き合うと宣言しなさい。キスだけならいつだってさせてあげるしそれ以上は……まあ彼氏としての努力次第よ。まずは足置きからね、ふふ」
またまたディープキスキタ―(゚∀゚)―
(∀゚ )―(゚ )―( )―( )―
( ゚)―( ゚∀)―(゚∀゚)― !!
いい匂いがするだけじゃなくて、キスまでしてくれるんだから、絵馬じゃなくてエレナこそがこの物語の本当の女神だわ!
あとは玲花!
一巻の初めでは大地に全然見向きもしてなかったけど、一巻終盤の出来事を経て、少しずつ大地を意識するようになってるの!
「お疲れ様です先輩」
「……あ、ああ。問題ない」
それだけ言って、互いに沈黙する。
前回の告白以降、基本的にはいつもと変わりないのだ。お互いに仕事をしながら、気づいたように一言二言かわす。まあ変わりはない。だってフラれたのだから。
ただ、何となく玲花先輩の方から視線を感じたりもする。それに――。
「き、聞いたぞ。君がミスターコンの代表になった事を」
会話についても、前よりずっと玲花先輩の方から話しかけてくれるような気もする。
(略)
「そ、それよりだ! もう一つ……相談したいことがあるのだ」
話を逸らされたぽいけど、こちらも真剣な口調だ。背筋を伸ばして聞く事にする。
「もう一件は、その、私が審査委員長なので……君の得点をどうしようか悩んでいるのだ」
全く予想外の言葉に「へ?」と首をかしげてみると、
「き、君はミスターコンで優勝したい気持ちなどあったりするのか?」
ちらちら視線を送りながら訊いてくる玲花先輩。ええとそれって、
「せ、先輩駄目ですよ! その場で公平に審査してください!」
「そ、そそそ、そうだな! 私情抜きでもちろんそうさせてもらおう! 君のために採点ボタンを連打するなど忖度にすぎる事だ!」
危ない! 何考えてるんだ先輩は! どう見ても実力不足なのにそんな事して目立ったら普通にばれそうなものなのに! まあ先輩の優しさゆえの発言とは思うけど!
優しすぎぃ!
てかぎくしゃくしたり慌てたりする玲花が可愛すぎぃ!
これもう完全に大地好きになってるでしょ!
この直後にある、玲花にマッサージするシーンも激シコ。
七七ページにある挿絵の玲花がこれまでで一番の可愛さだから、物理書籍でも電子書籍でもいいから買ってそのシコリティを堪能してほしいわね。
「ふう……」
玲花先輩が書類に目を向けつつ、また自分で自分の肩を叩き始めた。
「先輩、お疲れなんですね」
「まあ……多少はな」
そうしてコミュ障の癖が抜けきってない僕は、なぜか自分の生活に組み込まれたモノの話を当然のようにしてしまうのだ。
「マッサージしてあげましょうか?」
言葉にしてからまだたきを三つ。痛々しい事を言ってしまった事に気づく。
「あ! ごめんなさい普通に変ですね! 忘れてください!」
本当、どこのセクハラ親父なんだ僕は、と、思っていたら……。
「そ、そそ、そうか。それならお言葉に甘えるとするかな」
玲花先輩が視線を逸らしつつも、頬を染めながらそう言ってくれた。
「いいんですか本当に……?」
もう一度しっかり確認したけど、やっぱり玲花先輩はうなずいてくれる。
ためらいつつ、椅子に座る玲花先輩の背後に回る。おそるおそる肩を掴んで息を呑む。
自分が提案したこととはいえ、何だか恥ずかしくなってきたな。
うなじの白さがまぶしいし、さらさらの髪から甘い匂いがするし、そもそも先輩の身体に触れるのなんて普通はあり得ないことだし、触ればやっぱり柔らかいし、うわわわちょっと待て本当に緊張してきた。
集中しろ。柔らかい感触のする肩。でも軽く探ると芯には……ああ、確かにけっこう凝ってるかもしれない。
僕はこの数日間の猪熊さんの手技を思い出す。あれは、こんな感じで――。
「ふあ♡ は!? ん♡ 待、あ♡ ぁん♡ ああああっ♡」
先輩からすごい声が出たのでびっくりして肩から手を離す。
すると、玲花先輩は真っ赤な顔の涙目で、ふるふる小刻みに震えながら、
「さ、触り方が破廉恥だ! 本当に破廉恥だ! こ、こんなのどこで覚えた!?」
「待って下さい! 普通にしただけです!」
「ふ、普通なものか! そ、その、体がじんじん……も、もういい仕事に戻るんだ!」
生兵法はケガの元。またぎくしゃくな空気に戻ってしまったのだった。
エロすぎぃ!
一体どんなマッサージしてるのよ!
そもそも平然と異性の体に触りすぎぃ! 普通は門前払いされるし!
どうせなら肩なんてセコいことしてないで玲花のおっぱい揉んじゃいなさいよ!
二巻も安定のシコリティを供給してくれるまほろ勇太先生とあやみ先生。
三巻はあたしの大好きなエレナ回になりそうだから、 どんな展開が待ち受けてるか楽しみで楽しみでしょうがないわ!
とまあ、ここで終わればめでたしめでたしまほろ勇太先生大喜びで良かったんだろうけど、だったら発売一週間以上経ってレビューする必要ないわけで。
初動が重要な今の時代、早くレビューできるならそれに越したことはないし。
遅れた理由は結論から言えば、 二巻はいち早くレビューしてその面白さを広めるに値する出来の作品ではなかったということ。
感想の九割以上は称賛だけども、あたしだけじゃなくて、ツバサと緋悠梨も読書メーターで批判気味の感想書いてる。
二巻では新しく愛梨ってキャラが出てくるわ。
メガネしてるオタクっぽい陰キャで、大地たちの後輩。
周囲に可愛い子が多いせいで馴染めず、いつしかクラスメイトにからかわれるようになってしまい、悪ノリでミスコンに選ばれちゃったの。
このまま逃げ続けても悪意のはけ口にされる生活は変わらないってことで、みりあ達と一緒にミスコンに挑む……っていうのが実は二巻のメインストーリーよ。
みりあ回と思わせて、実は愛梨回だった。
この愛梨を巡る展開が予定調和的で安直。
「昭和のスポ根よろしく地獄の合宿して、実は愛梨は磨くと光る原石で、最終的にミスコン一位を獲得しましたとさ。めでたしめでたし」って結末で、感動も何もない。
アマチュアじゃないんだから、そこ工夫しなきゃ駄目でしょ。
あと第二章が退屈で仕方なかった。
服のサイズがどうこうっていう『魔王は服の着方がわからない』の二番煎じや、脂肪を減らして筋肉を付けるっていうライザップの二番煎じみたいな薀蓄が語られるんだけど、読者が求めてるのってハウツーなの? ハウツーで人気になったの?
ハウツーだけで人気出るなら『魔王服』だってラノオンや好きラノにノミネートされるわよ。あっちは本職が監修してるんだから。
もう一つは根本的な欠点なんだけど、キャラの行動に説得力がなさすぎ。
例えばみりあ。
一巻読んだ時点だと、みりあって身長が低いせいでオーディションに落ちまくったりモデル仲間から馬鹿にされたりする辛い境遇を抱えながらも、変えられることを変えていこうとする努力家な印象だったじゃない?
ところが二巻では、実はみりあの家が超絶お金持ちだと判明するわ。
顔認証のセキュリティがある豪邸(しかも本邸じゃなくて別邸)住まいで、メイドが七~八人常駐し、一本一万円のオリーブオイルを平然と他人に提供できる金銭レベルで、服を自作できるだけの文化資本だって持ち合わせてる。
ビリギャルより真相がひどい。
こんな恵まれた環境で育った人間が「ミスコンは外見以外に取り柄がない人間の最後の拠り所」みたいなこと主張してミスコン反対派を納得させようたって説得力皆無だし、絵馬に向かって「何もかも持ってる人間にはわからない」と怒鳴り散らしたときは何様かと思ったわ。
自分の立ち位置を客観的に把握できないただのバカ、我儘なボンボンじゃん。
行動に説得力がないのは愛梨も同じで、台詞で説明してるだけで描写がない。
例えば上で「オタクっぽい」と書いたけど、趣味だとか部活だとか学校や家で何してるかとか、そういった情報が全然書かれてないから推測するしかなくて、結果どんなキャラだか曖昧なまま話が進んでくのよね。
クラスでからかわれてる件に関しても、スクールカースト底辺のいじられキャラ的ポジションなのかなと思って読み進めてたんだけど、何かかなり嫌われてるっぽいし。
「な、なんすか?」
「実は、ミス・ミスターコンの件で相談があるんだ。君は男子代表だから鶴姫さんと一緒に出るんだよね? それで軽い打ち合わせっていうかそういうのを――」
その瞬間だった。
堀秀君の美麗な顔がみるみる赤くなっていく。目は吊り上がり、額には青筋さえ浮かんでいた。なぜそんな凶悪な表情を向けられるのかは分からず戸惑っていると、その怒気が向けられている対象に気づく。
その相手は――鶴姫さんだ。
(略)
「ふざけんなよ本当に出る気なのかよブス! 俺は出ねえからな、馬鹿じゃねえの臭っせえブサイクが! さっさと取り下げろよ!」
(略)
「……どうせ、体育会系のやつらとかその辺の差し金なんだろ! ヒョロガリだからって馬鹿にして! 俺がちょっとモテたからってこんなブスとくっつけるようにして! 出なかったら罰ゲームとか言い出しやがって!」
(略)
「俺が何したっていうんだよ! なんでてめえみたいなブスと出なきゃいけねえんだよ! ふざけんな絶対出ねえからな罰ゲームも絶対しねえ! つーかあいつら許さねえ。いつか地元の先輩呼んでぶっ潰してやるからな!」
( ゚д゚)ポカーン
何でここまで嫌われてるの? 愛梨ってクラスでひどいことしたの?
一年生(愛梨の学年)の教室の様子を描写したページがどこにもないから、唐突にキレられてる感しかしないし。
FF15のグラディオじゃないんだから。
堀秀のキャラもよく分からない。
愛梨と何かしらの関係性(元カノとか)があるわけじゃないのに、一緒にミスコンに出るってだけでこれほど激しく当たり散らすってかなり異常。
「体育会のやつら」「ヒョロガリ」って発言からは堀秀が文化系でひ弱なイメージがあるから尚更だし、そんな人間が不良みたく「地元の先輩呼んでぶっ潰してやる」なんて脅迫してるのがかなりおかしく見える。そんな先輩いるの?
まほろ勇太先生ってお肉焼くのが趣味だったり、人当たりがよかったり、既婚者だったりして、多分文化資本相当高いはず。
中学や高校は私立に入学。文武両道のイケメン学校生活を送り、そのまま名門大学に進学。容易に就活は終わり大企業に就職し、順風満帆な人生なんじゃないかしら。完全にあたしの推測だけど。
敷かれたレールの上を順調に歩んできた故に、レールの外側を全く知らなかった。
強みが弱みに。『ネット小説家になろうクロニクル』の津田彷徨先生と一緒ね。
数学オリンピック出てたり、ミスコン一位だったり、専属モデルやってたり、恋愛小説家やってたり、『絶対彼女作らせるガール!』って文化資本に恵まれた登場人物が多いのよね。そもそも舞台が私立高だし。
ただ、そんなキャラばかりだしても魅力的な物語にはならない。
レールの上をただ走るだけじゃドラマにならないのは当たり前で、途中停止したり、脱線したり、列車にテロリストが侵入したりするからドラマになるのよ。
ドン底から……とまではいかなくとも、大きな挫折を乗り越えるからこそ、その姿に人は惹かれるんじゃないかしら。
一巻の大地はそうだった。
玲花が好きだ。だけど玲花は自分を見てくれない。
釣り合いたいのに釣り合えない。変わりたいのに変われない。
そんな途方に暮れる状況から絵馬たちの助けを借りて一歩ずつ変わっていき、外見も内面も大きく成長したから評価されたんじゃないの?
これが「実は大地の家はお金持ちで、いっぱいお金をかけてファッションとトークのスキルを磨きました」って結末だったら一巻の高評価はなかったわよ。
でも二巻はそんな感じの安易な結末を選んでしまった。
読者の感情を揺さぶる緊張感はどこへ行ったのか。
読者を物語に引き込む一体感はどこへ行ったのか。
一巻で見せた、多くの読者を魅了したあの眩い輝きは、超新星の放つ――つまり死に際の――輝きでしかなかったのかしら?