何度批判されても懲りないことに定評のあるmizunotori(元このラノ協力者)が、いつもの通り作品論・読者論を「与太話」扱い。
異世界転生・転移モノの主人公って、あんまり「帰りたがってる人」いないよねー。「昔いた日本を懐かしむ」とかもあんまりしない印象。
— ツチヤ@元編集者・現なにか (@t_tsuchiya_PR) 2023年5月21日
もちろん「俺は元いた世界に帰る!」って主張があるととそればっかりのキャラになっちゃうと思うけど、とはいえなんかびっくりするほど顧みない気がする。
「最近はなんでこうなの?」みたいな素朴な問いを与えられたときに思わず人間はそれを説明するための理屈を反射的に捻り出してしまうけどほぼほぼ根拠のない辻褄合わせにすぎないので自覚的に与太話にとどめておこうな。
— mizunotori (@mizunotori) 2023年5月22日
いやもう「異世界転生が流行ってるのは最近の読者がつらい現実に向き合わないから」みたいな手垢のつきまくった与太話を(元)編集者が信じてんの恐怖でしかないから頼むから与太話で終わらせてくれよと思ってる。
— mizunotori (@mizunotori) 2023年5月22日
そういうのが作品に反映されたり業界内で既成事実化したりするのが怖いという話なので目障りとかではないです。目を塞いでもどうにもなりませんし。
— mizunotori (@mizunotori) 2023年5月22日
もちろん「異世界転生が流行ってるのは最近の読者がつらい現実に向き合わないから」という仮説自体は検証されるべきだけれども、医学部志望者の文化資本調査からも分かるように、嗜好と社会階層は多少なりとも関係してるわけで。
「与太話」と切り捨てていいものじゃないわ。
また、その他の面接内容からは、「医師への動機」より、人物そのものを重視した選抜が実施されている可能性が推測される。とりわけ趣味や高校時代の活動歴がいかに重視されているのか、質問の多さから明らかと言えよう。特に医学部進学層には豊富な趣味や蓄積がみられる。アンケート調査からも、子どもの頃からの趣味とし
て「乗馬」「クラシックピアノ・ヴァイオリン」「絵画」など、学校で獲得された文化ではなく、家庭で蓄積された正統的な文化を持っているケースがしばしみられた。部活動に関しても、高校で部活動に入っていなかった学生は皆無に等しく、多くが積極的に活動していたことが明らかになった。
正直なところmizunotori(やラノベ天狗)のこうしたツイートには毎度イライラさせられてて、何故かというと他人の主張を「与太話」と切り捨てる一方、「異世界ものを好む読者はこういう人物ではないか?」という仮説を構築しようとしないから。
要するにmizunotoriは、「異世界ものを好む読者は〇〇という傾向がある」という主張が差別的で政治的に正しくないから封じ込めたがってるのだけど、かといって「異世界ものを好む読者にはいかなる傾向も存在しない」と言ってしまえば上記調査のような「嗜好と社会階層が関係している」という社会学的な知見と矛盾してしまうため、ひたすら他人の意見にケチをつけるだけの存在になっちゃってるのよね。
ちょうど、人間の差異を何でもかんでも「それはステレオタイプだ!」の一辺倒で批判するポリコレ信者のように。
「女は男より数学が苦手だ」というのは典型的なステレオタイプで、ずっと批判されてきた。だがその一方で、「生まれたばかりの赤ちゃんでも、男の子はモノに、女の子はヒトに興味を示す」とか、「男の言語能力は左脳に偏り、右脳を論理・数学的な処理に使っているが、女は左脳だけでなく右脳も使って言語処理をしている(したがって女の方が言語能力が高い)」などの生物学的な説明がなされている。だとしたらこれは「偏見」ではなく、男と女の生得的な性差が「常識」になっただけではないのか――という話になる。
ここからわかるように、真偽が曖昧なステレオタイプについては、それが科学的に正しいかどうかを論じはじめると、ものすごく面倒なことになる。その結果、いわば「蟻の一穴」を防ぐために、社会科学であるにもかかわらず、「事実の真偽は問わない」という"反科学的"なルールが要請されたのだろう。
(橘玲『バカと無知―人間、この不都合な生きもの―』)
ステレオタイプは間違いとは限らない。いい加減にそのことを認めなさい。
真実よりイデオロギーを上位に置くラノベ読みは、業界の癌細胞よ。